「盲導犬-澁澤龍彦「犬狼都市」より-」&「唐版 滝の白糸」 製作発表

「盲導犬」&「唐版 滝の白糸」】製作発表が、9日(木)都内で行われ、演出の蜷川幸雄、出演の古田新太 、宮沢りえ、小出恵介、大空祐飛、窪田正孝、平幹二朗が登壇した。

 

演劇界を騒然とさせた20121月シアターコクーン・リニューアルオープン公演『下谷万年町物語』で、アンダーグラウンド演劇の真髄、そし て唐作品のスペクタクル性と繊細さを同時に描き出した芸術監督・蜷川幸雄が、20137月公演『盲導犬』から引き続き、唐作品第2弾として、13年振り に4度目の『唐版 滝の白糸』を手掛ける! 

 

蜷川幸雄 コメント

蜷川幸雄

 

「盲導犬」は長い間、もう一度やりたいと思っていました。 一回目(初演)は成功したんですが、二回目(再演)は失敗したんです(笑)自分が停滞していた時期で演出が最悪だったんです。それで、死ぬ前にきちんと、凄い作品をつくりたいなと思いました。 前回(唐さんの)「下谷万年町物語」をやって、やっぱり唐の芝居はいいな、と感じました。 今回は自信のキャスティングです。どこに本当の心があるのか分からない恐ろしい人たちを相手に、客席を感動の渦に巻き込んで、誇れる演劇をもう一度つくって、若い世代の人に、こんな芝居があるんだと思ってくれたら。 古田くん、宮沢さん、小出くん、この3人はなかなか獲得するのが大変なので、心から喜んでいます。信頼する俳優との稽古が待ち遠しくて待ち遠しくて、台本を読んでいると、やりとりが聞こえてくるようです。 「滝の白糸」は当時、唐さんから「こんな芝居があるんだけどやってみないか?」と言われ、大映撮影所の一番大きいステージを借りて、溝口健二になるんだ!とかなんとかいいながら、長屋を6件ほど建て、300万円を使って、見事に赤字を出しました(笑)ですが、長屋が空を飛んだり、水芸の水が血の色に変わったり、それを見た青年が影響を受けるとか、そんな作品がとても大好きです。とても思い入れがある、そして少々荒んだことが出来る時代の作品です。

大空さんがやりたいと言っている、と聞き、宝塚時代の映像を見て「いけそうだな」、そして会ってみると真摯な良い女優さんでした。また窪田くんは、実は以前僕の舞台のオーディションを受けた事があるんですが、台本も覚えてなくて落としました(笑)ですがとてもいい俳優でいつか一緒に仕事しようと言っていましたし、平さんはようやく出てくれ、一緒に出来ることを喜んでいます。

「盲導犬」「唐版 滝の白糸」共に、70年代の良質なものを若い世代にみてもらいたいなと思います。

 

 

【盲導犬―澁澤龍彦「犬狼都市」より―】出演者

古田新太

 

唐さんの作品は大好きです。唐さんの作品は17年前に「愛の乞食」という作品以来で、この17年の間になんとか、唐さんと蜷川さんの作品がやれないかと思っていたのですが、やっと念願が叶いました。学生の頃、よく新宿梁山泊や唐組を観ていて、唐さんのセリフは抒情だったりセンチメンタル、ロマンティックなのですが、ポエムではなくセリフで描かれている。そして最後にはドカン!と脅かしポイントがあって・・・そこに蜷川さんという脅かし好きがまた合わさると、どうなるのか楽しみです。今回は、その宝石の様なセリフがちりばめられていて宮沢さん小出君、その他のキャストの皆さんと一緒に丁々発止でやっていく芝居ですので、大好きなのですが難しい作品です。唐さんと蜷川さんが死ぬ前に間に合ってよかったと思います(笑)

 

 

宮沢りえ

 

唐さんと蜷川さんとは「下谷万年町物語」ぶりとなりますが、すっかり虜になりました。 唐さんの作品は台本を読むと“?”が100個くらい、言葉の飛躍や、言葉がジェットコースターのようでついていけなくて、自分では答えが出ないのですが、立ち稽古をして相手役がいて熱を帯びると、衝撃が走るように肉体と心で理解出来て“?”が無くなって、そこからさらに吸い込まれて追い越す瞬間があるんです。毎日発見の連続で、やめられなくなります。 今回も台本には書かれていないものが、舞台上にどれだけちりばめられるのか、今からワクワクしてしょうがありません。楽しみながらやりたいと思います。

 

 

小出恵介

 

蜷川さんの作品に出演させていただいたのは5年前の僕の初舞台でした。それから年に一回は出演させていただいて、毎回苦しい戦いで・・・。今回が一番大変かもな、と思っています。台本を読んでみると途方に暮れてしまい・・これまであまりない経験ですが、唐さん蜷川さん、それから古田さん宮沢さんといった怪物と一緒に、安心して壊れたり解放出来るので、最高の怪物ごっこを楽しみたいと思います。

 

 

公演日程 2013/7/6()7/28()

 

会場 Bunkamura シアターコクーン

 

スタッフ

作:唐十郎 演出:蜷川幸雄

 

出演:古田新太、宮沢りえ、小出恵介 ほか 


 

(撮影:渞忠之)

 

【唐版 滝の白糸】出演者

大空祐飛

 

昨年宝塚を退団いたしまして、退団後の初舞台となります。こんな未知数な私に、唐さんと蜷川さんの作品

 にチャレンジできる事はありがたく、感謝しています。初めては一回しかありません。緊張の連続だと思いますが、いい緊張を保ちながら全力で作品の世界に挑みたいと思って、いまから稽古を楽しみにしています。私はいつも台本を食べ物のように思っています。これまでの台本は食べやすく、消化もしやすかったのですが、今回は大人の味といいますか・・消化は決してよくないかな、でもきちんと消化出来たらとてつもない熱量になるのではないか、また麻薬のように一度食べたらやめられなくなるのではと思っています。

 

 

窪田正孝

 

今回初めて蜷川さんとお仕事させていただきます。舞台の経験は少ないですが、蜷川さんに「今の時代だからつくりたいんだ」とおっしゃったので、楽しみながら、力強く“アリダ”を通してバンバンぶつかっていきたいです。頭がポカーンとしてしまったのが台本を読んだ印象です。ポスター撮影の時に怒られてもいい!という気持ちで蜷川さんに「すみません、僕には分かりません」と言ったら「僕も分からないから」と言われました()「唐さんの作品は言葉の遊びで、台本は詩だと思って、頭で考えず体で感じたら、そうしたら自然とのれるから」とおっしゃってくれたので、早く唐さんの言葉の遊びにのっかって、稽古がしたいと思っています。

 

 

平 幹二朗

 

若い頃、唐の作品はまぶしくて、キラキラしていて、でも恐ろしくて近づけないものでした。新劇育ちの私はきっと唐作品に接すると、読み解く力や表現力が無いことがバレてしまう気がして、“アナザーカントリー”でした。

今年の秋で80歳になります。唐さんも蜷川さんもですが、私も死に近くなっておりますので(笑)恐ろしい世界に、言葉の魔力を頼りに唐の世界を飛んでみたいと思います。唐の芝居に誘っていただいていたけどちょっと勇気が出ませんでした。そしてまた「滝の白糸」で誘っていただき、台本を読んでみると、前より“?”が少なかったのと、(演じる)銀メガネという役は狂言まわし的な存在なので、軽いタッチで演じれば流れに乗っていけるかな、唐さんの芝居のセリフ言葉をしゃべってみたいなと思い、参加させていただく事になりました。楽しみにしております。 

 

公演日程 2013/10/8()10/29()

 

会場 Bunkamura シアターコクーン

 

スタッフ

作:唐十郎 演出:蜷川幸雄

 

出演

大空祐飛、窪田正孝、平幹二朗 ほか

                                              (撮影:蜷川実花)

 

Bunkamura シアターコクーン http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/

 

 [主催]

Bunkamura/梅田芸術劇場


【大阪公演情報】
日程:11月 会場:シアターBRAVA
お問合せ:梅田芸術劇場 06-6377-3888(10:0018:00) 
http://www.umegei.com/schedule/306/

 

 

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