明治座『五月花形歌舞伎』制作発表

明治座『五月花形歌舞伎』の制作発表が、21日(木)都内で行われ、歌舞伎俳優の市川染五郎、片岡愛之助、中村勘九郎、中村七之助が出席した。

 

明治座でかぶく!「明治座 五月花形歌舞伎」にて若き花舞う!

一昨年、16年ぶりに歌舞伎公演が復活してから恒例となった、”明治座花形歌舞伎”。今年五月、歌舞伎界を華やかに彩る注目の花形が集結する。

昼の部では、平家の武将斎藤別当実盛と義賢ゆかりの者たちが紡ぐ、哀しくそして骨太な『実盛物語』に、中村勘九郎と中村七之助が挑む。源氏の白旗を守りたい一心が起こす奇跡と、親子の奇縁、未来へとつながる主従の縁を劇的な展開で描く。

『与話情浮名横櫛』では、与三郎とお富の美男美女が互いに一目ぼれする「見染」と、与三郎がなぶり切りにされる責め場が見どころの「赤間別荘」、”しがねぇ恋の情けが仇”の名台詞で知られ、明治座界隈が舞台となっている「玄冶店」を上演する。数奇な運命が織りなす人気の世話物を、市川染五郎と中村七之助という、一昨年の明治座公演『怪談 牡丹燈籠』でも人気を集めた顔合わせ。

 

夜の部では、江戸から明治へ変わる激動の時代、必死の願いと苦悩を抱え奔走する者たちと、彼らの思いを受け、決断を下す将軍徳川慶喜の葛藤する姿を描き出す『将軍江戸を去る』を上演。市川染五郎が初役にて勤める。染五郎演じる慶喜と、中村勘九郎演じる鉄太郎の緊迫感ある台詞の応酬が見事な作品、躍動感溢れる台詞劇が堪能できる。そして『藤娘』では、中村七之助の瑞々しい佇まいは、愛らしい藤の精そのもの。

最後は東京初演となる『鯉つかみ』。釣家の姫を訪ねてきた若者の正体は積年の恨みを持つ鯉の精だった。実際に舞台に池をつくり、水飛沫のなか、片岡愛之助が鯉の精との激しい立ち廻りを繰り広げ、今回は片岡愛之助の宙乗りという明治座ならではのダイナミックな演出も加えた演目。

 

市川染五郎

「歌舞伎はいろんな観方ができるので、「赤間別荘」があることによって、「玄冶店」の切られ与三郎になるかをみせることによって、(ストーリー的にも)観やすいお芝居になる気がします。「玄冶店」の面白さや駆け引き、与三郎はお富が好きだという一心なところを観て欲しい」、また「衣装を2着作りました。前回やったときは安い方で、今回は高い方です」と笑いを誘った。また、台詞劇については「『将軍江戸を去る』は大好きで、言葉の強さ、言葉の応酬、日本語のすごさを感じていただけるようにしたい」と意気込みを語った。

 

片岡愛之助

「本水と宙乗りで思う存分暴れたい。早替わりにも注目してほしい 。初めて歌舞伎をご覧になられる方にたくさん来ていただきたいです」と語り、花形歌舞伎について聞かれると「明治座の杮落し公演に出演して以来、歌舞伎以外の舞台に出させていただいたこともあったのですが、やはり歌舞伎で舞台に出られることは嬉しいです」、また、鯉の精を演じる愛之助に、恋の質問が寄せられると「幸せですよ」と笑みを浮かべた。

 

中村勘九郎

一昨年の16年ぶりの(東日本大震災後の)明治座での歌舞伎について「舞台上で表現して一人でも笑顔になって帰っていただけるように勤めさせていただいた。」と振り返って語り、昨年12月に父・中村勘三郎さんを亡くした勘九郎は「以前、『実盛』をやらせていただいた時は父に習ったのです。すごく思い入れの深い作品です」と語った。

 

中村七之助

「何もないが風情という、これはとてつもないお芝居だと思います。それは風情で成立しているお芝居だと思う」、また明治座について聞かれると「人形町の町ぐるみで応援してくれている。以前、明治座の舞台に出た時も、駅前の中華店に入ったら「観ました」とか、お寿司屋さんにポスターが貼ってあったり、すごく応援してくれる町なので、大切にしたい」と語った。

 

中村七之助は人形町で市川染五郎が”いい珈琲屋さんを見つけた”ことを暴露すると、市川染五郎は「年期の入った珈琲屋さんとか探してみます」と、人形町散策を楽しみにしている場面も。

 

最後に、市川染五郎は「歌舞伎座杮落し公演の最中でもありますが、明治座が一番盛り上がるんだというくらいの心意気で、熱い舞台をおみせしたいと思います」と意気込みを語った。

 

明治座・三田芳裕 代表取締役社長は、「ここの地域は(日本橋・人形町)芝居町の名残が残っています。本当に芝居が好きな方がいらっしゃって、そういう方々にも復活した明治座の歌舞伎公演を喜んでいただいています。その勢いで今回の五月を迎えたい 」と語った。

 

玄冶店 

創業は大正元年。昨年で創業100年を迎えました。「玄冶店」の地名は、徳川家の御典医であった岡本玄冶に由来する。


玄冶店 濱田家 ホームページ http://www.hamadaya.info/

 

明治座『五月花形歌舞伎』

公演日:2013年5月3日(金・祝)~27日(月)

 

明治座ホームページ http://www.meijiza.co.jp/

 

<チケット>

15名様以上のグループ観劇予約受付中

お申し込み、お問い合せは明治座営業部まで
03-3660-3941
10:0017:00

 

・電話・インターネット予約開始

328日(木)10:00から

 

・窓口販売・予約引取開始

331日(日)10:00から

 

・【学割】予約開始

419日(金)10:00から

【学割】各席種2割引き
学割は明治座チケットセンター並びに明治座窓口のみ。

 

 

 

Asiaent_Lifeをフォローしましょう

<人気記事>