第8回大阪アジアン映画祭開幕 ジョニー・トー監督、オープニング上映『毒戦』で緊急来日! 3年ぶりとなる舞台挨拶に場内喝 采!

3819時から大阪市北区の梅田ブルク7で、大阪アジアン映画祭オープニングセレモニーおよびオープニング作品『毒戦』の日本初上映とが行われた。最初にコンペティション部門ワールドプレミア上映となるマレーシア=台湾合作映画『カラ・キング』Namewee監督と俳優のクリストファー・ダウンズ氏、特別招待作品部門『戦争と一人の女』の井上淳一監督が登壇。昨年、初監督作『ナシレマ2.0』でOAFF2012「来るべき才能賞」を受賞したNamewee監督は、開口一番「こんばんは」と日本語で挨拶。「『カラ・キング』は世界プレミア、ここで初めて見ていただきます。私も初めて見ます」と笑いを誘った。続いて『カラ・キング』に出演のクリストファー・ダウンズ氏が「みなさん、こんばんは!」と見事な日本語を披露。初めての大阪アジアン映画祭参加への喜びを語った。故・若松孝二監督に師事し、今回が初監督作品となる井上淳一監督は「この映画がアジアで本当に通じるかどうか、例えばジョニー・トー監督の映画を我々が楽しむように、アジアの人たちが本当に心を許して楽しんでくれるだろうかという思いで作りました」と大観衆を前に感無量の面持ちでオープニングセレモニーのスピーチを締めくくった。(写真:大阪アジアン映画祭運営事務局)

 

そして、2010年大阪アジアン映画祭のオープニングを飾った『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』より3年ぶりの来日を果たしたジョニー・トー監督が、『毒戦』日本初公開の舞台挨拶のため緊急来日。『単身男女』(2011年世界初上映)、『高海抜の恋』(2012年日本初上映)と毎年最新作を大阪アジアン映画祭に送り込んでいる巨匠の登場に、「ジョニー!」という観客の声が飛び交い、場内の熱気は最高潮に。
「今回、大阪に帰ってくることができたことがうれしい」とグレーのスーツを着こなしたダンディーなジョニー・トー監督。本格的な中国進出作となった『毒戦』については、「『単身男女』『高海抜の恋』の2本を撮りながら中国大陸の公安に関する警察ものの脚本をじっくりと書いていたが、さまざまな制限があり今日ご覧いただくものは、当初書こうとしていたものとは異なるけれど日本のお客様にどう見ていただくか楽しみ」と大陸での映画作りについて語られ、「今回作品が完成して映画祭で上映できることは、大陸側の制限が少し緩んできた証拠。他の監督たちが中国大陸で公安や警察に関する映画を作っていけるひとつのきっかけになれば」と次世代の監督たちにエールを送ることも忘れなかった。「今までのジョニー・トー作品とは違う大陸で撮ったアクションムービー。次に僕が大阪に来たとき映画の感想を聞かせてほしい」と次の出品&来日を約束することばが飛び出し、場内は感動しきり。最後にオープニング上映『毒戦』舞台挨拶のためだけに、香港から駆けつけたジョニー・トー監督に観客から惜しみない拍手と歓声が送られ、本国香港よりも早い『毒戦』日本初上映へと続いた。

 

8回大阪アジアン映画祭は317日まで梅田ブルク7(梅田)、シネ・ヌーヴォ(九条)、梅田ガーデンシネマ(梅田)、第七藝術劇場(十三)、プラネット・スタジオ・プラスワン(中津)で上映が行われる。クロージング上映は特集企画《Director in Focus:リー・ユーの電影世界》よりリー・ユー監督×ファン・ビンビン最新作『二重露光~Double Xposure~』。他にもアジアスターが出演する話題作の日本初上映や、大阪アジアン映画祭初となるキルギス=ロシア=フランス合作映画『誰もいない家』(アカデミー賞キルギス代表)や、レイラ・ハタミ(『別離』)主演のイラン映画『最後の一段』など注目作がラインナップ。
世界で初めての特集となる《GTHの7年ちょい~タイ映画の新たな奇跡》では、業界参入してわずか“7年ちょい”でヒット作を連発してきたタイGTH社制作作品を一挙上映。また、今夏『ブッダ・マウンテン~希望と祈りの旅』が劇場公開される中国新世代の代表格、リー・ユー監督作品を取り上げた《Director in Focus:リー・ユーの電影世界》や、新しいフィールドで挑戦する日本映画人の作品を取り上げた《日本映画人のニュー・フロンティア》。東日本大震災からちょうど2年が経つ311日には、震災をテーマに製作された作品の上映やトークセッションを盛り込んだ《東日本大震災から2年「メモリアル3.11」》を開催する。

 

(写真:大阪アジアン映画祭運営事務局)

 

インディ・フォーラム部門では、CO2助成監督作品のワールドプレミア上映をはじめ、「越境」をテーマに韓国、中国、台湾=ミャンマーの新鋭監督が撮った海外インディペンデント作品も上映される。多彩なゲストを迎えたトークセッションも見逃せない。

チケットはチケットぴあでの前売終了後は、各劇場にて順次販売。

詳細は大阪アジアン映画祭ホームページ参照。

大阪アジアン映画祭運営事務局
http://www.oaff.jp/

 

Asiaent_Lifeをフォローしましょう

<人気記事>