４日（月）、都内・（社）日本外国特派員協会にて、映画『チチを撮りに』の試写＆記者発表が行われ、中野量太監督、渡辺真起子、柳英里紗、松原菜野花が出席した。

「死にゆく父の顔を写真に撮る」という”おつかい”と、行き着いた先にいた人生の修羅場に奮闘する姉妹を通じて、母の思いや家族の絆を描きだす『チチを撮りに』。キャストには、心意気ある母・佐和に『ギリギリの女たち』『ヒミズ』の渡辺真起子。可笑しくもリアルな掛け合いがみどころの姉妹には、柳英里紗と松原菜野花。監督は本作で長編映画デビューを果たし、”ＳＫＩＰシティ国際Ｄシネマ映画祭２０１２”で、日本人監督として初となる「監督賞」と「ＳＫＩＰシティアワード」のダブル受賞を果たした新進気鋭の中野量太。国内では２月１６日（土）から東京・武蔵野館ほか全国順次公開が決定している。また、第６３回ベルリン国際映画祭（２月７日～１７日）ジェネレーション部門正式招待された。

国際的映画セールス会社「フォルティッシモ・フィルムズ」が国際販売権を取得。

『チチを撮りに』は国内の劇場公開に留まらず、オランダ・香港に拠点を置く世界的な映画セールス会社”フォルティッシモ・フィルムズ”が国際販売権を取得。ユーモアとペーソスに溢れた独自の感性と視点に海外の映画関係者からも熱い期待と確かな評価を集めている作品でもある。

試写＆記者発表では、外国特派員などから質問が寄せられ、監督とキャストが応じた。

中野量太監督

渡辺真起子

中野量太監督

「世に出るための一つのきっかけとして、映画祭しかなくて・・・ＳＫＩＰ国際映画祭に出品させていただき、受賞すると全国劇場公開するというので、最初から狙って出しました。その後のベルリン国際映画祭などは、全く想像していなかったので・・・。ＳＫＩＰ国際映画祭のおかげで、”やっと見つけてくれた”という思いが強くて、とても感謝しています」と、感謝の気持ちを語った。また、劇場公開で家族に観てほしいかの問いに「僕は家族の映画を撮っているのですが、１２年前に母親に観せたら「あなたの映画は恥しいから二度と観ない」といわれ、１２年が経ちます（爆笑）。この作品は、そんな母に観せたくて撮った映画です」と、笑いを沸かせる場面も。

渡辺真起子

アジア太平洋映画祭で最優秀助演女優賞を受賞した渡辺真起子は「家庭を持っていないので・・・もしも、私に家族がいて、二人の子供を育てていたならと想像をすることはできる。役と私の違いがあるからこそ、あったかもしれない人生を想像することができる」と、役柄と自分の違いについて語り、「子供達が見つめている母親、愛されているお母さん像を子供の視点からも観てもらえたらいいなと・・・光栄に思っています」と笑顔で語った。

柳英里紗

松原菜野花

柳英里紗

思い出に残るシーンについて質問されると「誇りに思っているシーンは、姉妹の喧嘩のところで、妹を足蹴りするシーンです（笑）。お互いの信頼関係があったので、遠慮なく蹴ることができて、そのシーンが気に入っています」と、また「初日に観に来てほしい」と、自分の家族に観に来てほしいと語り、「映画を観て自分の家族を思いだしてもらいたい」と見どころを語った。

松原菜野花

「帰りの電車の中で二人（姉妹）で帰るときに、「逃げ道あったよね」といったときのシーンが一番好き」と心に残るシーンについて語り、「（ＳＫＩＰ映画祭で鑑賞した）おじいちゃんとおばあちゃんが、凄く気に入ってくれているので、今回も観に来てほしい」、また見どころは「家族間を観てほしい」と語った。