『大竹しのぶ オールナイトニッポンGOLDで中村勘三郎さんへの思いを語る』

12月5日(水)未明に急性呼吸窮迫症候群のため57歳で亡くなった歌舞伎俳優の中村勘三郎さんを偲んで、女優・大竹しのぶが、6日(木)、自身がパーソナリティを担当するニッポン放送「大竹しのぶのオールナイトニッポンGOLD」(毎週木曜日午後10時~)で自らの言葉で勘三郎さんへの思いを語った。

 

中村勘三郎さんと大竹しのぶは、大竹が二十歳の時に勘三郎さんの歌舞伎以外での初めての舞台となった『若きハイデルベルク』で共演して以来の友人。NHK大河ドラマ『元禄繚乱』で夫婦役を演じてからは家族ぐるみの付き合いで数限りない思い出があるという。

 

「ラジオの前の皆さんもご存じかと思いますが、日本を代表する歌舞伎役者で私にとっては19歳の時からの友達であります波野哲明(本名:なみののりあき)さんこと、中村勘三郎さんが帰らぬ人となってしまいました。まだ私の中では『冗談だよ、大竹!』って起きてくる感じがするんですね。」


「今、同じ時代を生きて彼の舞台を観る事ができて、生きてて良かった、と思うぐらいのお芝居を見せてくれる人でした。お客様に対する愛情と、芝居に対する愛情と、彼が持っているエネルギーが舞台の上で燃焼する姿を目の当たりにして涙を流さない人はいないと思います。誰もが彼を好きになるぐらい素晴らしい歌舞伎役者であり舞台俳優であり、そして人間性溢れる素敵な方でした。」

 

「人間的にも本当に優しい人で、舞台の掃除をする人、大道具さん、小道具さん、美術さん、照明さん、音声さん…、全ての人に愛されて、全ての人を愛する人でした。」


「本当に、肉体的にも精神的にも大変な辛い治療をしていました。普通だったらへこたれてしまいそうな事も彼は我慢して、なおかつ治りたいという強い意志、生きていたいという強い意志をもって闘っていました。そんな姿を見て、たくさんのお医者さんや看護士さんが彼に励まされて、何とかしてあげたいと一緒に闘ってくれました。」

 

「私の中で今、これから演劇界、歌舞伎界はどうなっていくんだろうという不安もあるんですね。彼が、新しい客層、新しい歌舞伎を開発してたくさんの若い人たちが歌舞伎座に来るようになって、古き良き時代の歌舞伎を守りながら新しい歌舞伎を創ってきてくれました。そんな彼がいなくなって、どうなってしまうんだろうとか思うんですけれど、だから…、彼はまだいるんだと、私たちを見守ってくれているんだと考え直すことにしました。演劇の神様としていつまでも見守って欲しいな、と思います。」

 

番組では、勘三郎さんが6歳のときに三木のり平さんと共にレギュラー出演していたニッポン放送の番組「勘九郎・のり平の大人の幼稚園」の1961年(昭和36年)9月30日放送回の音声を放送、大竹しのぶは、このアーカイブを聴いて「早口で喋るところは今も変わっていないですね。自由で正直で、そのままで変わらず57年生きてきた哲明さんですね。だからみんな彼の前では正直になるし彼に愛されたいと思っていました。」


「今、別れなければいけないという、神様が決めたこの時期っていうのが、いったいどういう意味なのか、答えを出していくために明日からまたお芝居を頑張っていきたいと思います。」と語った。

 

ニッポン放送「大竹しのぶのオールナイトニッポンGOLD」(毎週木曜日午後10時~)

 毎週木曜日 午後10時~午後11時50分

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www.allnightnippon.com/


 

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