東京国際映画祭クロージングセレモニー 東京サクラグランプリに『もうひとりの息子』が受賞!

28日(日)、六本木ヒルズで20日(土)から開催されていた”第25回東京国際映画祭”のクロージングセレモニーが行われた。ローレヌ・レヴィ監督の『もうひとりの息子』(フランス映画)が東京サクラグランプリに輝いた。

 

・劇場動員数:39,786人

・グリーンカーペット・アリーナ等イベント:約48,000人


東京サクラグランプリ 『もうひとりの息子』

東京サクラグランプリに輝いた『もうひとりの息子』 ロレーヌ・レヴィ監督は、監督賞の受賞され「この賞は幸せを運んでくれました。この幸せ光栄は私のチームと共有したいと思います。撮影中は映画のことしか考えていませんでした。撮影が終わってしまうと、甘えてしまい何もしなくなり、とても映画は疲れるものです。周りを信用しなければと考えているところです。キャストの方々には本当に感謝したいし、プロデューサー達にもお礼を言いたいです。そしてTIFF審査員、スタッフのみなさまにお礼を申し上げたいと思います。ありがとう東京!」とコメント。そして、東京サクラグランプリ受賞時には、信じられない様子のまま登壇し、「この賞をイスラエルとパレスチナの子供達に捧げたいと思います。どうもありがとうございました」と二冠の喜びを語り、プロデューサーのヴィルジニー・ラコンブは、「信じられないような出来事です。東京で二つの賞をいただいて、本当にすばらしいことです。監督、ジュールありがとう!ジュールは今では私の息子のようです。そして、TIFFは素晴らしく段度入りされていて、TIFFの関係者に感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました」、主演のジュール・シトリュクは「映画関係者のみなさま、本当に優しくもてなしてくれて、ありがとうございます。今、映画のことをいろいろ考えていて、チーム全ての方に感謝します。そしてまた監督には、ユニークな役をオファーしてくれてありがとうございます。僕はこの映画を通して、すばらしい体験をしました。本当にありがとうございました」と、東京サクラグランプリ受賞の感想を語った。

 

ヴィルジニー・ラコンブ プロデューサー

 

ジュール・シトリュク (俳優)

 


最優秀監督賞 ロレーヌ・レヴィ 『もうひとりの息子』

審査員特別賞 『未熟な犯罪者』


 

最優秀女優賞 ネスリハン・アタギュル 『天と地の間のどこか』

 

 

最優秀男優賞 ソ・ヨンジュ 『未熟な犯罪者』


 


 

最優秀芸術貢献賞 パンカジ・クマール『テセウスの船』 撮影監督

 

 

観客賞 『フラッシュバックメモリーズ 3D


 


 

TOYOTA Earth Grand Prix 『聖者からの食事』

TOYOTA Earth Grand Prix Special Jury Prize 審査員特別賞 『ゴミ地球の代償』

 

日本映画・ある視点 作品賞 『GFP BUNNY-タリウム少女のプログラム』

TIFF特別感謝賞 レイモンド・チョウ

 

 

最優秀アジア映画賞 『沈黙の夜』

アジア映画賞 スペシャル・メンション 

『ブワカウ』 『兵士、その後』 『老人ホームを飛びだして』

 

TIFF特別感謝賞 レイモンド・チョウ

 


セレモニー後の記者会見では、コンペテション作品の多くが文化政治的な考え方の違い、また宗教信じていることの違いなどを表現していたが、満場一致で(『もうひとりの息子』に)審査が決まった」と総評を審査委員長のロジャー・コーマンが語った。

 

『もうひとりの息子』

兵役用健康検査の結果、両親の実子でないことを知ったイスラエル人の青年。出生の際の手違いが明らかになり、やがてイスラエルとパレスチナふたつの家庭のアイデンティティと信念とが大きく揺さぶられる事態に発展する。根深い憎しみからの解放を巡る感動のドラマ。

本作が3本目の長編作品となるレヴィ監督は、脚本家として豊富なキャリアを積んでいる。イスラエルとパレスチナ問題を背景にした物語を語る上で陥りがちなパターン化を避けるべく、イスラエル人やイスラエル在住パレスチナ人スタッフの意見を日々取り入れながら脚本は改訂され、全くオリジナルで感動的な家族の物語が誕生した。舞台演出家の顔もある監督による役者の動かし方も的確である。主演のエマニュエル・ドゥヴォスは現在のフランスで最も尊敬を集める女優のひとりであり、本作でも動揺する母性愛を絶妙に表現している。なお、イスラエル側の息子を演じるジュール・シトリュクは、子役時代に『ぼくセザール10歳半1m39cm(03)に主演し来日も果たしており(2004年フランス映画祭)、成長した姿を見せている。

 

監督:ロレーヌ・レヴィ

芸術と法律を学ぶかたわら、1985年に劇団“La Compagnie de l'Entracte”を旗揚げし、7年に渡り、劇作家と舞台演出家として活躍。その後、映像作品の脚本を書きはじめ、30本ほどのテレビ、映画作品を手 掛けてきた。2004年に自身の脚本による“The First Time I Turned Twenty”にて監督デビューを果たし、数々の映画賞を受賞した。07年には“London mon amour”を監督。本作が3作目にあたる。

 

 

スタッフ

監督/脚本:ロレーヌ・レヴィ
脚本:ナタリー・ サウジョン
原案/脚本:ノアム・フィトゥッシ
プロデューサー:ヴィルジニー・ラコンブ
プロデューサー:ラファエル・ベルドゥゴ
撮影監督:エマニュエル・ソワイエ
編集:シルヴィー・ガドメール
音響:ジャン=ポール・ベルナール
音楽:ダファー・ヨーゼフ 

 

キャスト

エマニュエル・ドゥヴォス
パスカル・エルベ
ジュール・シトリュク
マハディ・ダハビ
アリン・オマリ
カリファ・ナトゥール

 

 


クロージングセレモニーの最後には、今回の第25回東京国際映画祭をもって依田巽チェアマンが退任。後任には、角川書店の椎名保取締役が就任することが発表された。 

 

 


 

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