ドキュメンタリー映画『マヤ ー天の心、地の心ー』トークイベント

24日(月)、都内にてドキュメンタリー映画『マヤー天の心、地の心ー』の先行上映会と柳瀬宏秀氏×谷崎テトラ氏によるトークイベントが開催された。

ドキュメンタリー映画『マヤ ― 天の心、地の心 ―』は、自然の繊細美とマヤの創世神話「ポポル・ヴフ」を描いた映像に織り交ぜられ、古代マヤと現代マヤを、時空を超えてつないでいき、グローバリゼーションで地球の破壊が進むなか危機に立ち向かう現代マヤ人を描いた作品。

 

古代マヤ暦の偉大なカレンダーは20121221日に終焉する。この壮大な物語はどのようにして終わりを迎えるのだろうか。海は荒れ狂うのだろうか。最後の木が切り落とされた時、天が落ちてくるのだろうか。

 

私たちが今直面している問題にマヤ暦の終わりが、不思議にもタイミングが同期しているのはなぜだろうか。事実、すべての生命を宿している地球は、恐ろしい速度で破壊されつつある。

現代のマヤ人900万人が暮らすメキシコのチアパス州とグアテマラは、グローバリゼーションによって翻弄されている。遺伝子組み換え作物、グローバリゼーション、鉱山開発などにより、地球が破壊され、マヤ人たちの文化や生活環境が崩壊に瀕している。現代マヤ人に起きていることは、私たち自身が抱える問題の縮図ではないだろうか。

Q:グレゴリオ暦が出来た時から、人口が急増したり、そういったものそのものをホゼ博士は警告(リズムが狂った)時ではないかと言っていましたけれど・・・改めてマヤ暦とは?

 

柳瀬:「マヤの予言ということ(映画にも出ていたこと)5125年周期がという話があるのですけれど、重要なのは、古代前ピラミッドを残して消えたということ。その後、芸術的にはドーンと落ちて、違う形になるのですね。そして、生け贄の文化が入ってくるのです。16世紀にスペイン人が入ってきて、この映画でもテーマになっているようになるのです。マヤの叡智というのは、失われたと言ってもいいと思うのです。地球の公転365、2421まで正確に測っていた。科学的にはわかっているのです。今の現代科学と同じ、でも、どうやって測ったかわからないのですね。望遠鏡もパソコンもなしに測れます?それが一つ。そして、17種類のカレンダーを使っていたということ。17種類の何がわかっていたか・・・。5125年の周期が終わる原因が、マヤ暦が終わると言っているのに、マヤ暦が何だかということを知らないのですよ。滑稽だと思いますね(笑)。マヤ暦知らなくてもいいのです。カレンダーが何だか知らない。カレンダーは、一年が終わると新しく始まります。宇宙の周期なのです。地球が太陽の周りをまわるのが一年。時間と地球の周期とカレンダーが一体になっているのです。一日は24時間・・・日の出からまわって、また日の出まで、これは宇宙の周期なのです。時間は宇宙の周期なのです。時間は時計ではないのです。500年前の日本に時計がありましたか?じゃあ時間はなかったか?ということを考えると、5125年の周期が終わるということは、新しい周期が始まるということは常識なのですよ。それがわからなくなっているから、予言がきているわけですよ。だから滅亡なんていうのですよ。カレンダーのことを伝えたくて・・・この映画をきっかけに、マヤの叡智、2012年人はどうして進化しなければならないのか。カレンダーは宇宙の周期なのです。それを17種類、望遠鏡もないのに測っていたということを意識してみてください。金星と火星の公転を測っていたのですよ。それが、何でわかったかがわかれば、近代科学に入るんですよ。ガリレオより前に・・・。それは叡智というものに近いということです」と熱く語った。

 

 

Q:5125年の暦のピリオド、12月21日ですが、一日が終わるように次の5125年の始まりでしかないとなるわけですけれど、ピリオドが終わるということで、何か変化が起こるのでしょうか。どんな心構えをするべきなのでしょうか?

 

柳瀬:「根本的に殆どの人が間違っているのは、2012年以降のカレンダーもあるということで、間違っていたということを言っていますけれど、周期が終わったら当然新しい周期が始まる。反対に研究者達が、5125年の周期が終わる通過点だというのです。宇宙の周期としての時間をとります。今はガタガタのカレンダーなのです。31日周期・・・宇宙に28周期があり、体に、肌も28日周期ですよね。全ての人類が、今のカレンダーを使うことによって、自律神経がおかしくなって、自然を感じなくなっているのです。だから、環境破壊できるのですよ。2012年12月21日、ツォルキンも実はそうなのですよ。360日×400年ですよ。360日っておかしくないですか?3次元の我々の時間でいつになるか・・・本当はあまりわからない。もともとは高次元の時間なのです。5125年周期が終わって、進化が始まるという意識を向けないと、環境破壊がこれだけあるのに、平気でトラックが壁にぶつかろうとアクセルふかしていたら、そうはならないのですよ。と、いうことを今考えていただけると、2012年12月21日に何かが起こるとかの発想がナンセンス」と、マヤ暦やカレンダーについて、物理学について語った。

Q:12月21日のことが、あってもなくても地球の状態は・・・アマゾンの森が消滅していく、水が汚染されていく、原発事故がある、これ以上ないくらいのスピードで、いろんな問題が起こっています。我々、一人一人がどのようなメッセージを受け取るか。その一つの鍵がカレンダーを変えていくということを認識しましたけれど、谷崎さん、改めてこの映画の感想と、マヤの先住民の伝統を受け継ぐ長老のまとめ役に方にお会いしているのですよね?

 

谷崎:「映画のタイトル”天の心、地の心”・・・マヤの神話というのは、宣教師が書いた(文字に残されている一番古いもの)『ポポル・ヴフ』。マヤの知恵は、伝統的な儀式、伝統的な生活の中に知恵が生きています。天の心と地の心があり、地の心について・・・彼らが伝統的な知恵というのを、自分の足元の大地との関係性にみている。穀物との関係制性の中に、大地との繋がりを持つ。彼らは文字を残していない。知恵と言うのは、代々親から子へ受け継がれてきています。知恵は文字には残されません。ナマールとは、呼吸する空気の中に大事な情報がある。一呼吸して吐き出す、その中に全宇宙の情報がある。それは、文字に書き写すこともできなければ、遺跡とかは壁に書かれているものよりも、その遺跡がどのように使われてきたか・・・。マチュピチュの遺跡は、先住民の方はいまだに儀式(コンドルの儀式など)をします。その文化さえ収奪されようとしているというのが、この映画の一番のテーマです。映画の中にもありましたが、トウモロコシは、彼らにとって重要な人との繋がりをもたらす。自分の体と宇宙が繋がっているということ。遺伝子組み換えのトウモロコシが入ってくる・・・」と、映画のタイトルについて持つ意味について語った。

 

トークは1時間20分もの間、マヤ暦から遺伝子組み換えに至るまで、柳瀬氏と谷崎氏の熱いトークが続いた。トウモロコシの遺伝子組み換え、金の採取によって、人々に害を与え、輸出など経済問題など・・・日本でも考えていかなければならないことでもある。今も実際に続いているドキュメンタリー。公開を記念して、イベントも開催予定!

 

24回アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭オフィシャルセレクション

バンクーバー国際映画祭 2012 オフィシャルセレクション

 

監督・脚本:フラウケ・ザンディッヒ、エリック・ブラック

撮影監督:エリック・ブラック 助監督:フロリーナ・メンドーサ

製作:アンブレラ・フィルムズ・プロダクション、ZDF/3SAT共同製作

配給:ユナイテッドピープル

99/2011/ドイツ/スペイン語/カラー/16:9)

 

公開日106日(土)とその翌日107日(日)にトークイベントを開催します!

両日ともエシカル(倫理的)なジュエリーブランド、HASUNAの代表取締役・チーフデザイナーで、2011年世界経済フォーラム(ダボス会議)が選ぶ日本の若手リーダー30人に選出されるなど注目されている白木夏子さんをお招きします。詳細は、ホームページから。

 

『マヤ ― 天の心、地の心 ―』 http://www.heart-of-sky.net/

 

10月6日(土)渋谷アップリンク公開

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