渋谷・コクーン歌舞伎 第13弾 『天日坊』製作発表!

”渋谷・コクーン歌舞伎第13弾 『天日坊』”の製作発表記者会見が、4月27日(金)、都内ホテルで行われ、串田和美(演出)、宮藤官九郎(脚本)、中村勘九郎、中村獅童、中村七之助が出席した。

渋谷・コクーン歌舞伎”は、中村勘三郎(当時:勘九郎)と演出家・串田和美(シアターコクーン初代芸術監督)が、1994年、『東海道四谷怪談』でスタートさせてから、ほぼ毎年開催されている。2012年は、幕末に初演されて以来、145年ぶりに河竹黙阿弥によって書かれた『天日坊』が上演される。人気脚本家・演出家俳優である宮藤官九郎による新たな脚本、串田和美の演出・美術で『天日坊』が甦る。出演者は、2月に六代目中村勘九郎を襲名した新・中村勘九郎、中村獅童、中村七之助といったこれから歌舞伎界の核となる俳優たち、今回は白井晃などシアターコクーンの現代劇ではお馴染みの個性派俳優を7人起用、コクーン歌舞伎に初参加となる。(※クリックで画像拡大) 

 

串田和美(演出)

「宮藤官九郎さんの『大江戸りびんぐでっど』を観て、江戸の芸能はこういうものだったのではないかなと思った。自由に理屈じゃないところで、自分の楽しさを勝手に捜して喜んだものではないかと・・・。これまでにないスタンスで少し違う角度から作ってみたい。『天日坊』が宮藤さんと一緒にできるので、ドキドキすると同時にものすごく楽しみです。」と意気込み、今回の『天日坊』ではお囃子ではなく、何本ものトランペットが鳴り響き普段の歌舞伎とは違う角度で歌舞伎の面白さを演出すると語った。

 

宮藤官九郎(脚本)

「歌舞伎の脚本を初めて手がけたのは「大江戸りびんぐでっど」で歌舞伎座のさよなら公演だったが、ゾンビものだった。今回は、150年くらい演じられていない歌舞伎だと聞いた。ダメなら黙阿弥のせいと逃げ場があるのはいい。良いところは”僕が変えたんですよ。”言い、悪い所は”(原作が)そうなっていた。”言えばいい。こっちの方を先にすればよかった」と笑いをわかせる場面も。

中村勘九郎

「18年前に始まったコクーン歌舞伎、僕はまだ小学年生だった。それが18年経ち『天日坊』作品を串田監督、宮藤さんと一緒にできることは嬉しいです。黙阿弥で七五調のセリフというイメージがあるが、それをとっぱらってくれてカッコイイセリフがいっぱい入っています。それをどう表現しようかは、これからの課題になってくる、楽しんでやっていきたい。」と意気込みを語り、「父が18年前渋谷のコクーンでやった時に、渋谷で歌舞伎をするということで、渋谷という地を否定され、こんちくしょうと言って定着させて、面白いものにするためケンカもすごくしていた。本当に命を削ってやっていた空間を今度は自分たちでやっていくことにプレッシャーを感じるが、その時の精神を引き継いでやっていきたい。脚本を読んだ時は、父から”雅行(勘九郎の本名)俺は出ないんだけどさぁ、大丈夫か?うちの父が不安がることは、なかなかないことなので、やったなと思いました。賛否両論の嵐になると思います」と語った。

中村獅童

「(今までのコクーン歌舞伎のように)叱ってくれる人がいないので、今まで培ってきたこと叱られたこと思い出して、新しいコクーン歌舞伎を作ることができると思う。きっと面白くなる。」

中村七之助

「コクーン歌舞伎始まって以来の若い年代だと思う。若い年代でどういうふうになるのかわくわくしている。楽しく稽古から入れたらと思っている。」と意気込みを語った。


 

中村勘九郎は昨年2月に長男が誕生し、12ヶ月を経過したが、子育てはしていないどころか、「帰ってくると寝ているので、朝の1時間か2時間、夜起きてたら、1時間程度」しか顔を見られないそうだ。「お休みないです。お休み下さい。」と関係者に要請。どうやら仕事が忙しく愛息と会う時間もままならない様子。そんな中村勘九郎を見て、「結婚いいなぁと思いませんか?」と、報道陣からふられた中村獅童は、「そんなこと俺に聞かないでよ」と、苦笑い。

<あらすじ>

 

ふとしたきっかけから将軍頼朝の落胤になりすまし鎌倉を目指す法策(後に天日坊・中村勘九郎)。旅の途中で盗賊地雷太郎(中村獅童)とその妻お六(中村七之助)と出会い、思いもよらぬ自分の運命を知る。思い描いた未来が夢なのか、この現実が夢なのか・・・。

 

鎌倉時代。木曽義仲が将軍・源頼朝の命令によって討たれた後、都で化け猫騒動が起こる。義仲に娘を嫁がせていた猫間中納言が謀反の疑いを掛けられ自害、その怨霊が帝の愛猫に乗り移っていたのだ。北条時貞と修験者・観音院の力で化け猫は退治された。観音院の弟子、法策は「生き延びよ」という化け猫の不思議な一言を聞く。法策はふとしたことから、飯炊きのお三婆さんの死んだ孫が将軍・頼朝のご落胤であることを知った。証拠の品は頼朝自筆の御書と三条小鍛治の短刀。拾われた子であり、身元も知れず、親族もいない法策は、ご落胤になるすますことを決意し、お三を殺して証拠の品を奪う。悪事を重ねながら鎌倉へ向かう途中、盗賊・地雷太郎やその女房で女盗賊のお六たち一味と出会い、殺されそうになるが、開き直って、自分の素性と企みを明かし、加担しないかと持ちかける。その時、お六が法策の本当の素性を見抜いた。驚く法策だが、その素性ゆえに盗賊たちも結束し、法策は天日坊と名を変えて、一同は、鎌倉へ乗り込みのだった。

 

(取材:野地 理絵)

 

 

渋谷・コクーン歌舞伎第十三弾天日坊

 

開催:平成24615日(金)~77日(土)

会場:Bunkamura シアターコクーン

 

ご観劇料

1等平場席 12,500円/1等椅子席 12,500円/2等席 9,000円/3等席 5,000円

 

演出 串田和美

脚本 宮藤官九郎             

法策後に 天日坊  中村勘九郎                 

人丸お六  中村七之助                 

猫間光義  市村萬次郎             

お三婆/赤星大八  片岡亀蔵                 

北條時貞  坂東巳之助               

傾城高窓太夫  坂東新悟                

越前の平蔵  近藤公園             

観音院/鳴澤隼人  真那胡敬二                   

久助  白井晃                 

地雷太郎  中村獅童                             

ほか

チケットホン松竹(10:00~18:00)

0570-000-489(または03-6745-0333)

チケットWEB松竹(パソコン・携帯より24時間受付)

 

Bunkamuraチケットセンター

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