映画『道~白磁の人~』プレミア試写会に吉沢悠、韓国俳優ペ・スピンが登壇

4月23日(月)、6月に公開される日韓映画『道~白磁の人~』のプレミア試写会舞台挨拶に、主演の吉沢悠と韓国俳優ペ・スピン、そして高橋伴明監督が登壇した。

 

映画『道~白磁の人~』は、日本統治時代の朝鮮半島を舞台に、日本人の浅川巧(吉沢悠)と朝鮮人イ・チョンリム(ペ・スピン)は、林業技師として荒廃した山々を緑に戻すために、ともに歩き、ともに語り合い、特別な友情を育んでいく。しかし、ある事件がきっかけで、チョンリムは抗日運動の容疑で投獄されてしまう。時代が生んだ哀しい運命に抗おうとする浅川巧だが、そんな時代が二人を引き裂いでしまうが・・・。(※クリックで画像拡大)

 

吉沢悠:「この映画は温かい友情を描いた作品になっています。きっとみなさん心温かい何か残るものがあります。」と作品を紹介し、山梨出身の実在した浅川巧氏については「日韓友好をあの時代からやられていた方がいたことに感動。浅川さんが残してくれた思いを映画で演じることによって、浅川さんのメッセージとして、みなさんに届けばいいなと思う。」と熱く語った。そして、「二人の会話は英語で意思疎通でき、日本人や韓国人ということよりも、心が通じるものがあれば友人になれると思った。一緒にサウナにも行った。」とペ・スピンとの友情を語った。

 

 

ペ・スピン:「撮影に入る前に、監督からは「巧とチョンリムの深い友情を描いている作品なので、映画の上でけでなく現実でも役柄を超えた友情を築いて欲しい。」と要求された。二人で釣りにいったりとか、心の底にあるものを話し合うことによって、本当に親しい友人になれた。釣りでは僕の方が多く釣れた。」と実際に吉沢との友情が築けたことを語った。

 

監督:「二人が現実的に友情が交わせれば、この映画は成功すると確信していた。二人が現場に居ない時は、行動が気になって、探偵を雇って調査した。(笑)しめしめと思った。これで映画は成功すると思った。」と心から確信。

 

ペ・スピンの事務所の先輩でもあるイ・ビョンホンよりお祝いのメッセージがあり、スクリーンでそのメッセージが上映された。イ・ビョンホンからのメッセージに、ペ・スピンは「イ・ビョンホンさんとランチをして話をしましたが、このようなことは話していませんでした。ただ、キムチチゲを僕にくれた。」とコメントし、イ・ビョンホンからのメッセージはサプライズだった。

 

映画のエンディングテーマを手がけたハクエイ・キムがピアノの生演奏をした。

            (左から 高橋伴明監督、吉沢悠、ペ・スピン、ハクエイ・キム)

<囲み取材>

 

Q:製作に7年かかっているそうですが?

監督:7年というのは企画が立ち上がってから7年ということです。

吉沢悠:浅川さんを知ってもらいたいという気持ちと、作品に関わることができて嬉しい。

ペ・スピン:いろいろな苦しい過程の中で生まれた映画なので、多くの方に愛されて欲しいです。

 

 

Q:二人をキャスティングした意図は?

監督:「吉沢君に関しては、良い意味で色が付いていない俳優さんだなと思った。色が付いていない分、どんな演技をしてくれるだろうという期待感。逆に色が付いているのは嫌でした。吉澤君自身の浅川巧を演じて欲しいと思った。ペ・スピンさんについては、ドラマなどを参考にし、イ・ビョンホンにしようかペ・スピンにしようか迷ったのですが、ペ・スピンさんで良かったと思った。彼は現場でアイディアをくれたりした。韓国では僕みたいな老人の監督をすごく大事にしてくれた。」

ペ・スピン「イ・ビョンホン氏ではなく、僕を選んでくれた有難うございます。(笑)普通巨匠の監督の場合は、正確なことを要求されるのですが、演技だけでなく全てのことにおいても耳を傾けてくれて、一緒に作っていったという監督です。僕自身も監督の年齢になったときに、僕自身も他の人とコミュニケーションしながら心を交わすことのできる俳優になりたいと思いました。」

 

Q:みなさん心に残る良いシーンがありましたら教えてください?

 吉沢悠:浅川さんが最後にチョンリムに会いに行くシーン。刑務所の中でも撮影され、韓国最後の撮影だったこともあり、現場も協力的で集中力を持って参加したので役にも入り込めた。演じていても言葉以上に語りあえてたところがあり、芝居をしていても気持ちが良かったし、映像を観ても良いシーンだったなと思いました。

ペ・スピン:僕も吉沢さんと同じシーンが好きなのですが、もう一つのシーンは巧の妻が亡くなって、日本へ帰国し韓国に戻って来たときに、巧が笑っている仮面を被っている時に、胸がジーンときました。

 

Q:お互いの印象と一緒に遊んだりした思い出深いことは?

吉沢悠:一緒に釣りに行きました。オフに釣りをしながらいろんな話をしました。そいうい繋がりが巧とチョンリムの繋がりになり、最終的に一緒にサウナに行きました。印象はオープンマインドな方だなと思った。第一印象の通り、人間的にも素晴らしい方だと思いました。どこかお兄ちゃんぽかったりして、共演してやりやすい方でした。

 

ペ・スピン:お風呂(サウナ)には一緒に行きました。韓国では親しい友人同士とよくお風呂に行きます。全てのことを流して、心の底から率直な話をすることができたのです。僕一人が心を開いたから親しくなれたのではなく、お互いに心を開いて、またお互いに分かち合いたいという気持ちがあったから親しくなれたのだと思います。監督もそのようなことを望んでいたと思うので、先程もそのようなことを調べるのに探偵を雇っていたということを初めて知りました(笑)。監督が望んでいたとおり、親しい関係に慣れましたし、今後もそういった関係を維持していきたいと思います。

 

監督:私も風呂に誘われたのですが、二人の関係を壊してはいけないと思い遠慮しました(笑)。もう映画終わったから大丈夫だ。(一緒に行きたい様子の監督)日本の温泉も行きましょう。

 

ペ・スピン:暑い場所での撮影で、「日本の浴衣を着てみたい。」と何気ない気持ちで言ったら、大杉漣さんと監督が浴衣をプレゼントしてくれたのです。

 

Q:二人は何と呼び合っているのですか?

吉沢悠:スピンさん

ペ・スピン:ひさ(吉沢さんの友人が愛称で呼ぶ呼び方)

 

吉沢悠とペ・スピンの真の友情。そして映画『道~白磁の人~』での浅川巧とチョンリムの民族の壁を越え、時代の壁を越えて生きた、男と男の物語!浅川巧の歩んだ道は、自然や隣国との共存の仕方を見失いつつある21世紀の日本への、時を越えたメッセージ。『道~白磁の人~』は、6月9日全国ロードショー。そして、韓国でも6月に上映される。

 

 

(取材: 野地 理絵)

 

『道~白磁の人~』

今、私達は浅川巧の歩いた道の、その先を歩いているのだろうか。

 

今、知るべき日本人がここいる。1914年に23歳で朝鮮半島に渡り、植民地時代に民族の壁を越えて活躍した歴史的人物「浅川巧」!

映画『道〜白磁の人〜』は浅川巧の人生を記した小説「白磁の人」(江宮隆之著)を映画化するものです。浅川巧は1891年に山梨県で生まれ、23歳の時に朝鮮半島に渡りました。40歳で惜別の死を迎えるまで、林業技手として山林の緑化復元に貢献し、白磁に代表される朝鮮工芸の美しさを伝え守り、民芸運動の祖である柳宗悦に多大な影響を与えました。そして植民地時代の差別意識に影響を受けることなく、民族の壁を越えて朝鮮人と深い友情を育み、私財を与えて貧しい子供達を学校に行かせました。浅川巧の心は当時の朝鮮人に尊敬され、葬儀の際には追悼する朝鮮の人々が競って彼の棺を運びました。彼のお墓は今もソウル市忘憂里(マンウリ)の共同墓地にあり、韓国の人々によって大切に守られ続けています。

 

日韓関係に今も影を落とすあの時代に、日本映画が初めて挑む!そしてKOFICの支援を受けて製作される初めての日本映画に!!

本作の主演である浅川巧役には、幅広い役柄を確実にこなす演技力に定評があり、ドラマ「南極大陸」への出演や舞台「オーデュボンの祈り」の主演などが話題の吉沢悠。浅川巧と民族の壁を越えて友情を育む親友・李青林役には、「華麗なる遺産」「朱蒙チュモン」「トンイ」など、視聴率の帝王と呼ばれる演技派俳優ペ・スビン。『光の雨』『禅 ZEN』『BOX 袴田事件命とは』などで時代に警鐘を鳴らし続ける高橋伴明監督のもと、制作は日韓共同のスタッフ体制により敢行されました。これまでタブー視され、映像化されることのなかった日本統治時代の朝鮮半島を真正面から描くために、ロケーションにはハプチョンやブアンにある韓国有数のオープンセットを使用、そのような製作内容が評価され、外国映画としては初めてとなるKOFIC(韓国映画振興委員会)の支援が内定しました。VFX制作や編集・録音などの仕上げ作業も、韓国でトップクオリティを誇るポストプロダクションカンパニー、CJ Powercastの制作協力のもと、すべて韓国で実施されます。

 

 

【キャスト・スタッフ】

吉沢悠 ペ・スビン

酒井若菜 石垣佑磨 塩谷瞬  黒川智花  近野成美 チョン・ダヌチョン・スジ/ 市川亀治郎/堀部圭亮田中要次/大杉漣 手塚理美

監督:高橋伴明 

脚本:林民夫 

原作:江宮隆之(「白磁の人」河出書房新社刊)

製作総指揮:長坂紘司 

エグゼクティブ・プロデューサー:與田尚志/倉内均 

プロデューサー:紀伊宗之/小川勝広

製作:小説「白磁の人」映画製作委員会/「道~白磁の人~」フィルムパートナーズ 

制作:アマゾンラテルナ 

制作協力:CJ Powercast  

配給:ティ・ジョイ 

宣伝:ヨアケ

助成:文化芸術振興費補助金/韓国映画振興委員会 助成自治体:山梨県/北杜市  

 ©2012 「道~白磁の人~」フィルムパートナーズ

http://hakujinohito.com

6月9日(土)、新宿バルト9、有楽町スバル座、他全国ロードショー!!

Asiaent_Lifeをフォローしましょう

<人気記事>