第68回ヴェネチア国際映画祭グランプリ受賞作、アレクサンドル・ソクーロフ監督『ファウスト』5月 シネスイッチ銀座 ほか全国順次公開

© 2011 Proline-Film,Stiftung für Film-und Medienförderung, St. Petersburg,Filmförderung, Russland Alle Rechte sind geschützt

68回ヴェネチア国際映画祭グランプリ<金獅子賞>受賞!ミステリアスで壮大な不朽の名作を圧倒的な映像美で映画化。生きる意味を探していたファウストに舞い降りた、甘い誘惑と愛をめぐる物語

日本人で初めての『ファウスト』翻訳者、森鴎外生誕150年!

 

作家として、医師としてだけでなく、訳者としても評価の高い森鴎外が『ファウスト』を日本に紹介してから99年。著作管理権が失効した今、その卓越した文章で書かれた翻訳本は無料で読むことが可能となり、より多くの人に親しまれるようになりました。ゲーテが1791年に「ファウスト短章」を刊行し、その後長い時間をかけて1832年に完成させた「ファウスト」は、その後世界中の作家やアーティストに影響を与え続け、日本でも手塚治虫や赤川次郎などが『ファウスト』を題材にした作品を発表。『鋼の錬金術師』『シャーマンキング』『青の祓魔師』、『ギルティ・ギア』…小説、マンガ、映画、演劇、音楽などさまざまな作品に引用され、形を変えて生まれ変わり、進化してなお人々を魅了し続けています。

 

エルミタージュ美術館に寄贈された衣装がやって来る!!

 

19世紀の神秘的な世界を表現した魅惑的な衣装は、撮影終了後エルミタージュ美術館に寄贈されました。この衣装が日本での公開を記念して特別にやってきます。公開にあわせての展示等を予定しておりますので、お楽しみに!

 

【STORY】

© 2011 Proline-Film,Stiftung für Film-und Medienförderung, St. Petersburg,Filmförderung, Russland Alle Rechte sind geschützt

 

19世紀初頭、神秘的な森に囲まれたドイツの町。高名な学者のファウスト博士は、助手のワーグナーとともに研究室で“魂”の存在を探していた。人体のどこにも“魂”を見つけることができないと嘆くファウストに、ワーグナーは「魂の正体を知っているのは神と悪魔だけです」と囁く。ファウストは神など存在しないと言い放つが、「悪魔は金のあるところにいて、広場の近くに住んでいる男が悪魔と噂されている」とワーグナーは言う。

研究費も底をつき、まともな食事もできないファウストは、父親を頼って診療所へ赴く。貧しい患者たちを黙々と診察しつづける父に、ファウストは「すべてを学んで研究につぎ込んだが、人生がむなしい」と打ち明ける。しかし父は、「金を貸すことはできない、ましてや生きる意味など教えられない」と彼を追い返すのだった。

町をさまようファウストは、いつしか悪魔と噂される高利貸の家へ。そこは神父さえも出入りしているようだった。高利貸はマウリツィウス・ミュラーと名のり、部屋は町の人たちが持ち込んだ担保の品々で溢れている。ファウストが指輪を担保に金を借りたいと申し出ると、男は「価値があるのは金ではなく、時と芸術。金は貸さないが、別の形でなら力になろう」と提案する。しかし、借金を断られたと思ったファウストは耳を貸さず男の家をあとにする。

 

ファウストが家にもどると、ワーグナーが小瓶をもってやって来た。毒を手に入れるように助手に頼んでいたのだ。そこへ、正装したマウリツィウスが訪ねてくる。彼は部屋にあった毒の小瓶を見つけ飲み干してしまうが、なぜか毒の効果は現れない。人間ばなれしたマウリツィウスに興味をおぼえたファウストは、「知らないことを教えてやろう」と唆されてマウリツィウスとともにふたたび町へ出かけて行く。

ファウストが連れて来られたのは、女たちが集う洗濯場。奇妙な振る舞いのマウリツィウスを見て大騒ぎする女たち中で、ファウストはひと際輝くマルガレーテを見つける。一目でその美しさに心奪われたファウスト。家までお送りしようと彼女に申し出るが、すぐに断られてしまう。

つぎに訪れた地下酒場では、兵士たちが終戦を祝って陽気に歌い飲み明かしていた。マウリツィウスは、兵士のひとりであるバレンティンにわざと酒をかけて騒ぎを起すと、魔法を使って壁からワインを噴出させる。その騒動にまぎれ、マウリツィウスにフォークを握らされたファウストは、バレンティンを誤って刺し殺してしまう。その男が実はマルガレーテの兄だと知らないファウストは、マウリツィウスに連れられてその場を逃げだす。

罪の意識に苛まれるファウスト。死んだ男の家族に償いをしたいとマウリツィウスに頼むが、自分の殺した男が愛しいマルガレーテの兄であることを知り、愕然とする。兄の葬儀の日、ファウストはマルガレーテに近づくため、黒衣に身をつつんだ人々の群れにまぎれ参列する。ファウストは彼女を慰めながら束の間の逢瀬を楽しむが、二人きりのところを母親に見つかり、マルガレーテは母に「恥知らず」と激しく怒られる。

気持ちが安らがないマルガレーテは、葬儀から帰ると教会へ向った。母への愛について悩み神に懺悔をしていると、そこにファウストが現れ「母を愛せなくても、愛は強制ではない」と優しく語る。その言葉に励まされたマルガレーテは、彼に心を開き大切な兄の形見をみせるのだった。

しかし、マルガレーテが家に帰ると、兄を殺した犯人はファウストだと告げられる。ショックを受けた彼女は、家を飛び出しファウストのもとへと急ぐ。ためらいながらも兄を殺したのかと問うマルガレーテに、ファウストはもはやなすすべもなく事実を認めるしかなかった。

 

マルガレーテにすべてを知られ、それでも彼女への想いを断ち切れないファウストは、ふたたびマウリツィウスのもとを訪れる。一晩だけでもマルガレーテとともに過ごしたいと懇願するファウストに、マウリツィウスが一枚の紙を差し出す。それは、魂と引き換えに、その望みを叶えるという契約書。ファウストは、ためらうことなく悪魔の差し出した契約書に自らの血で署名をする…。

文豪ゲーテ不朽の名作「ファウスト」の壮大な物語を、巨匠ソクーロフ監督が圧倒的な映像美で描く

19世紀初頭、神秘的な森に囲まれたドイツの町。あらゆる地上の学問を探求したファウスト博士は、研究をつづけるために悪魔と噂される高利貸マウリツィウスのもとを訪れる。お金は貸さないが、生きる意味を教えると言うマウリツィウスに導かれるまま町へと繰り出したファウストは、純真無垢なマルガレーテと出会う。マルガレーテの美しさに一目で心奪われたファウストは、彼女を求めて自らの魂と引き換えにマウリツィウスと契約を結ぶ…。

 

68回ヴェネチア国際映画祭グランプリ<金獅子賞>ほか3部門受賞

16回サテライト賞外国映画賞・撮影賞・美術賞・衣裳デザイン賞ノミネート/第55回ロンドン映画祭美術監督賞ノミネート

49回ヒホン国際映画美術監督賞受賞/第36回トロント国際映画祭特別招待作品

 

『太陽』『エルミタージュ幻想』巨匠アレクサンドル・ソクーロフ監督最新作

原案:ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ「ファウスト」より

出演:ヨハネス・ツァイラー、アントン・アダシンスキイー、イゾルデ・ディシャウク、ゲオルク・フリードリヒ、ハンナ・シグラ

台本:ユーリー・アラボフ

脚本:アレクサンドル・ソクーロフ、マリーナ・コレノワ

音楽・製作:アンドレイ・シグレ

 

原題:Faust2011/ロシア/ドイツ語/134分/ヴィスタ/字幕:吉川美奈子

配給:セテラ・インターナショナル

  www.cetera.co.jp/faust

5月 シネスイッチ銀座ほか全国順次公開

Asiaent_Lifeをフォローしましょう

<人気記事>