イ・チャンドン監督の『ポエトリー アグネスの詩』201年2月上旬公開

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<ストーリー>

66歳のミジャ(ユン・ジョンヒ)は、釜山で働く娘の代わりに中学三年生の孫息子ジョンウクを育てている。ある日、右腕の不調を感じ受診した病院で、物忘れの方が心配だから精密検査を受けるよう言われる。病院から出ると、放心状態の中年女性が救急車の前でくずれ落ちるのを、人々が遠巻きに見ていた。川に身投げした女子中学生の母親だった。 

 

その帰り道、ミジャは詩作教室の募集広告を目にする。家に戻り、ジョンウク(イ・デビッド)に自殺した少女のことを尋ねても「よく知らない」と素っ気ない。小学生のとき先生に「将来詩人になるだろう」と言われたことを覚えていたミジャは、詩作教室を受講することにする。講師の「詩は、見て書くものです。人生で一番大事なのは見ること。世界を見ることが大事です」という言葉に従って、ミジャはリンゴを眺め、木を見つめ、感じたことを手帳に記していく。

 

 そんなとき、ジョンウクの友人ギボムの父親(アン・ネサン)から連絡が入り、孫の仲の良い6人組の保護者の集まりに連れて行かれる。そこで知る、驚愕の事実。先日自殺した少女ヒジンの死に、その6人組が関わっていたというのだ。アグネスという洗礼名を持つヒジンの慰霊ミサに出向いたミジャは、入口にあったアグネスの写真を持ち去る。いつしかミジャは彼女に心寄せるようになり、アグネスの足跡を辿っていく…。

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<キャスト>

ユン・ジョンヒ(ミジャ)

 

1944730日生まれ。カン・デジン監督の「青春劇場」(67)に、応募者1200人という大々的オーディションで選ばれ、主演デビューを飾る。続く同年のキム・スヨン監督『霧』(F)とあわせて、数多くの新人賞を獲得、一躍トップスターになり、60年代から70年代にかけて活躍。その出演作は330本にのぼり、20以上の賞に輝いた。著名なピアニストであるペク・コヌと結婚、82年からフランスを拠点に活動している夫とともに、フランスに暮らす。大鐘賞映画祭主演女優賞に輝いたオム・ジョンソン監督の「無頼漢」(94)以来、16年ぶりの映画出演になる本作で、青龍映画賞、大鐘賞映画祭、アジア太平洋映画祭の主演女優賞を受賞した。また20114月には、フランス政府から文化芸術功労勲章を授与された。

イ・デビッド(ジョンウク)

 

199433日生まれ。これまでに、ドラマ「王の女」(03)、「イルジメ 一枝梅」(08)、キム・ハンミン監督、パク・ヘイル主演映画『極楽島殺人事件』(07DVD)、ファン・スア監督、カン・ヘジョン主演映画『うちにどうして来たの?』(09)、キム・デヒョン監督「殺人の川」(10)などに出演。

キム・ヒラ(カン老人)

 

1947323日生まれ。父は『ロマンス・パパ』(60)などの名優キム・スンホ。これまでの映画出演作品に、イム・グォンテク監督『ソウル奪還大作戦大反撃』(73DVD)、『史上最大の戦場 洛東江大作戦』(76DVD)、『アベンコ特殊空挺部隊 奇襲大作戦』(82DVD)、ハ・ギルチョン監督『馬鹿たちの行進』(75)、イ・ジャンホ監督『風吹く良き日』(80)、『暗闇の子供たち』(81)、ペ・チャンホ監督のデビュー作『コバン村の人々』(82TV)、パク・ジョンウォン監督『永遠なる帝国』(95)、ハン・ジスン監督、アン・ジェウク主演『チム~あこがれの人~』(98DVD)などがある。脳梗塞を克服して、チェ・ホ監督の「死生決断」(06)で7年ぶりに復帰。本作で大鐘賞映画祭助演男優賞を受賞。

アン・ネサン(ギボムの父)

 

1964724日生まれ。イ・チャンドン監督の『オアシス』(02)で、ソル・ギョング演じる男の兄を演じたほか、これまでの映画出演作品に、ユン・イノ監督『僕が9歳だった頃』(04)、チョン・ユンチョル監督『マラソン』(05)、チェ・ジョンテ監督『フライ、ダディー』(06)、キム・ハンミン監督『極楽島殺人事件』(07)、キム・ヘゴン監督『宿命』(08)など、多数。テレビドラマでも活躍する、韓国を代表する名脇役のひとり。

パク・ミョンシン(ヒジンの母)

 

1966年生まれ。イ・チャンドン監督の『オアシス』(02)で、ムン・ソリ演じるコンジュの世話を頼まれる隣室の女を演じ、『シークレット・サンシャイン』(07)では伝道師役、またイ・チャンドンがプロデュースした、ウニー・ルコント監督『冬の小鳥』(09)では児童養護施設の保母を演じた。そのほかの映画出演作品に、パク・チャヌク監督『オールド・ボーイ』(03)、『親切なクムジャさん』(05)、ポン・ジュノ監督『母なる証明』(09)などがある。

<キャスト>

イ・チャンドン(監督・脚本)

 

80年に慶北大学師範学部国語教育学科を卒業。大邱で7年間演劇活動をし、10本余りの作品で演出や俳優を担当する。81年から87年までは、教師として教壇に立つ。83年に、《戦利》で小説家デビューし、東亜日報新春文芸中編小説部門に選出される。87年、南北分断下におけるタブーを題材にした小説《焼紙》(初出は85年)のほか、《親忌》、《紐》などを発表。同年の《運命に関して》は、李箱文学賞推薦優秀賞を受賞した。92年に発表した《鹿川には糞が多い》は韓国日報文学賞を受賞する。《焼紙》は、日本でも《現代韓国短篇選(下)》(岩波書店、024月)に収録され刊行されている。

93年、友人のパク・クァンス監督『あの島に行きたい』(94/TV)の脚本家兼助監督として参加したことをきっかけに、映画界へ進出。96年には、同監督『Jeon tae-il/美しき青年-全泰壱(チョン・テイル)』(F)で第32回百想芸術大賞シナリオ賞を受賞し注目を集める。同年、俳優のミョン・ゲナム、ムン・ソングン、ヨ・ギュドン監督とイーストフィルムを設立、97年に『グリーンフィッシュ』を製作、監督デビューを果たす。98年には、スクリーン・クォーター汎映画人非常対策委員会政策スポークスマンをつとめ、スクリーン・クォーター制死守の先頭に立ち、99年には、アイチム・シナリオ創作基金責任作家と、映画投資会社であるユニコリア文芸投資理事に就任。シナリオ作家の育成や、韓国映画に対する投資などにも尽力する。(00年には、スクリーン・クォーター監視団が拡大・再編されたスクリーン・クォーター文化連帯の政策委員会委員長に就任。)

監督・脚本を手掛けた二作目、ソル・ギョング主演の『ペパーミント・キャンディー』(99)は、NHKとの共同製作作品で、98年秋に韓国において日本映画が部分解禁されて以降最初の日韓合作となった。また、この作品は第4回釜山国際映画祭で韓国映画としては初めてオープニング作品に選定され、翌年には第53回カンヌ国際映画祭<監督週間>に招待されるなど国内外で高い評価を受けた。続く、『オアシス』(02)は、第59回ヴェネチア国際映画祭で監督賞に輝く。032月には、映画界から一時退き、ノ・ムヒョン新大統領の下、文化観光部長官(日本の文化庁長官にあたる)に就任し、韓国における日本文化の開放を含む、様々な文化政策の実現に尽力した。 07年、5年ぶりとなる新作『シークレット・サンシャイン』を発表。第60回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、チョン・ドヨンに主演女優賞をもたらした。09年、ウニー・ルコント監督のデビュー作『冬の小鳥』をプロデュース。本作『ポエトリー アグネスの詩』で、第63回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した。

公式サイト:http://poetry-shi.jp/

 

20122月上旬、銀座テアトルシネマ、新宿武蔵野館ほか全国順次公開。

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