第64回カンヌ国際映画祭 監督賞受賞 超話題作『ドライヴ』 3月31日(土)公開決定!

INTRODUCTION

 

疾走する純愛ーカンヌ映画祭、そして世界が絶賛! 制限速度オーバーの最高にクールな超絶クライム・サスペンス。

 

昼はハリウッドのスタントマン、夜は強盗の逃走を請け負う運転手の“ドライバー”。その天才的なドライビングテクニックゆえに、危険な裏社会の抗争に巻き込まれていく孤独な男を描いた『ドライヴ』が、ついに日本上陸!

カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞し、ローリングストーン、ウォールストリートジャーナル、ムービーライン、ワシントンポスト、タイムアウトNYをはじめとする数々のメディアで最高レベルの満足度と評価を叩きだした本作。

この映画史に残る傑作を生み出したのは、今や“ラース・フォン・トリアー以来、最大の成功を収めた映画監督”の異名をもつデンマーク出身の鬼才ニコラス・ウィンディング・レフン。ジェイムズ・サリスの人気クライム小説を原作に、徹底的に贅肉を削ぎ落した演出で、愛する人を守るため裏社会を相手に一人闘いに身を投じるドライバーの孤独と悲哀を、時に衝撃的なまでに情感豊かに描き出した。それまで抑えつけられていた暴力性が一挙に噴出する緊迫のクライマックス。そして、静謐さとバイオレンス、計算しつくされた映像美と本能に訴えかけるサウンドが美しく融合し、ここに激しく心揺さぶる新たな愛の物語が誕生した。

 

世界一寡黙な主人公、ライアン・ゴズリングの最高傑作!スクリーンの闇を切り裂く衝撃を体感せよ。

(C)2011 Drive Film Holdings, LLC. All rights reserved 

 

映画史上類を見ない寡黙な主人公“ドライバー”を演じるのは、その目覚ましい活躍ぶりで、今ハリウッドで最も注目される演技派俳優ライアン・ゴズリング。日本では、『きみに読む物語』『ラースと、その彼女』『ブルーバレンタイン』などのラブストーリーでお馴染みの彼が、今までのイメージとは打って変わり、繊細ながらも内なる暴力性を秘めた難役に挑戦し新境地を拓いている。

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そして、ドライバーが愛する人妻アイリーン役には、『17歳の肖像』でアカデミー賞主演女優賞ノミネート後、『わたしを離さないで』、“Shame”、ディカプリオと共演の“The Great Gatsby”などの話題作への出演が続く若手注目株のキャリー・マリガン。

 

ほか、自身初となるヒール役が絶賛されている『ブロードキャスト・ニュース』のアルバート・ブルックス、「ブレイキング・バッド」でエミー賞初の3年連続・主演男優賞受賞歴を持つブライアン・クランストン、ギレルモ・デル・トロ監督作の常連俳優ロン・パーマーなど、一癖も二癖もある個性的で魅力的な悪役たちが脇を固め、単なる犯罪劇以上の深味を作品に与えている。

役者陣の見事な演技、フォードマスタングGT、クライスラー300、シボレーノバによる追跡劇、犯罪劇にサスペンス、アクション、バイオレンス、ノワール、ラブストーリーといった多彩なジャンルが見事に絡み合う本作。冒頭からクライマックスまで一瞬たりとも目が離せない衝撃の展開が、必ずや観る者を迎え撃つことだろう。

<STORY>

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天才的なドライビングテクニックを持つ寡黙な“ドライバー”(ライアン・ゴズリング)は、昼は映画のカースタントマン、夜は強盗の逃走を請け負う運転手。ひとたび依頼を受ければ、迷路のように入り組んだLAの街をパトカー相手に機械のような正確さで走り回り、淡々と任務を遂行するプロの逃がし屋だ。

 

ある晩、仕事を終えたドライバーは、同じアパートに暮らすアイリーン(キャリー・マリガン)と偶然エレベーターで乗り合わせ、一目で恋に落ちる。そして、車の故障で困っている彼女と息子のベニシオを助けたことで、次第に親しくなっていく。

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車の修理工場を営むシャノン(ブライアン・クランストン)は、そんなドライバーのエージェントであり、昼夜両方の仕事の面倒をみていた。シャノンには、ドライバーと組んでサーキットで優勝するという夢があった。そのためには、ドライバーの腕に相応しいレーシングカーが必要だ。そこでシャノンは、旧知の仲でもある元映画プロデューサーで今はマフィアの幹部となったバーニー・ローズ(アルバート・ブルックス)に資金援助を申し出る。実際にサーキットでドライバーの走りを目にしたバーニーは出資を承諾、仲間のニーノ(ロン・パールマン)もこの“ビジネス”に一枚咬むことに。

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後日、質屋襲撃の計画がマフィアの一味クックの口から告げられる。その場には、スタンダード、クックが連れてきたストリッパーのブランチ(クリスティナ・ヘンドリックス)、逃走を手助けする役目のドライバーがいた。

計画通り、スタンダードとブランチが質屋に入り現金を入手するが、外で待機していたドライバーの眼前でスタンダードが射殺されてしまう。そして、突如姿を現した謎の車が、盗んだ金を奪うべくドライバーに攻撃を仕掛けてくる。予想外の大金を抱えたまま、何とかモーテルに逃げ込んだドライバーとブランチ。しかしTVから流れてきたのは、犯人とされるスタンダードの死と、質屋襲撃による実害は無し、とのニュースだった。

クックに嵌められたことを悟ったドライバーは、ブランチから真実を聞き出そうとするが、追手に頭を撃ち抜かれ口を塞がれてしまう。命からがら追手を返り討ちにし、シャノンの工場に逃げ込んだドライバー。一体何が起こったのか?

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クックの居場所を突き止めたドライバーは、彼の雇い主ニーノに手元の100万ドルをネタに交渉を試みる。

そしてアパートに戻り、夫を亡くし傷心中のアイリーンに今までの経緯を説明、一緒に別の土地で暮らそうと告げる。降下するエレベーターの中で、初めてキスを交わす2人。だがその瞬間、ニーノが放った殺し屋の存在に気付いたドライバーは相手を滅多打ちにし、彼の突然の凶行に慄いたアイリーンはその場に立ち竦んでしまう。

質屋に隠してあった東部マフィアの裏金を横取りしようと企んでいたニーノは、仲間のバーニーと共に、自分が首謀者であることを知るドライバーとシャノンを消し去ろうとしていた。そして、その手はドライバーの愛する人間にも…。

工場でシャノンの無残な死体を発見したドライバーは、その報復、そしてアイリーンとベニシオの身の安全を確保するため、逃走から攻撃へ一気にシフトシェンジをした――

レフン監督×ライアン・ゴズリングの出逢い

若干24歳で監督デビューを飾った『プッシャー』(96)が評判を得、今や“ラース・フォン・トリアー以来、最大の成功を収めた映画監督”の異名をもつデンマーク出身のニコラス・ウィンディング・レフン。欧米諸国ではかねてから絶大な人気を得ていたこの鬼才に眼を付けたのが、本作の主演ライアン・ゴズリングだった。

 

レフン監督は、当時ハリソン・フォード主演、ポール・シュレイダー脚本の新作に取りかかろうとしていた。だが、主人公が死ぬ設定にフォードが異を唱えはじめ、そのことに納得できなかったレフンは監督を降板。まさにハリウッドの洗礼を受けていた頃、ゴズリングから「一緒に映画を作らないか?」という1本の電話を受けた。それからとんとん拍子に話が進み、『ドライヴ』は通常のハリウッド映画と異なり、企画からすぐに撮影段階へと突入していく。

 

レフン監督は語る。「ライアンは、カリスマ性があって、主役に相応しいルックスも持ち、訓練された名優のような魅力もある。ドライバー役には、爆発的な暴力性と、一匹狼として孤独に生きながら、人を愛することで変わっていくリアリティさを出せる役者が必要だった。こうした演技の幅を持っている役者は、実はほとんどいない。彼は僕のヒーローだよ。俳優としても、また1人の人間としてもね!映画作りを通じて、僕らの絆はかなり強いものになったんだ。まるで『殺しの分け前/ポイント・ブランク』のジョン・ブアマン監督と主演のリー・マーヴィン、または『ブリット』のピーター・イエーツ監督とスティーヴ・マックィーンみたいにね。監督には主人公が必要だ。逆も然り。この2つの翼がしっかり機能すれば、その他のことは二の次なのさ。」

名前のない”ドライバー”

 

レフン監督は、小説の舞台であるLAの雰囲気とスタントドライバーの物語が映画的であり、何より原作の簡潔で無駄のないナレーション、皮肉なユーモアで味付けされたノワール調のスタイルが気に入った。

「主人公のドライバーは、僕が“Bronson”や“Valhalla Rising”で作り上げたキャラクターにも繋がる役柄だ。伝説的で、何となく神に近い人間。僕はヒロイズムの闇の部分にすごく興味があるんだ。正義を守ろうとすることや止まることを知らない衝動が、何者かによって遮られてしまうというのがとても好きなんだ。」

 

子役としての実績、そして『きみに読む物語』以降の目覚ましい活躍で、ライアン・ゴズリングは着実に役者としての地位を確立してきたが、彼自身は昔から典型的な商業映画を避け、あえて困難な役にチャレンジし続けてきた。

 

ゴズリングは語る。「ドライバーという役にすごく興味をそそられたんだ。複雑でドラマティックな2面性の演じ分けが要求されるからね。一方で彼は、孤独で寡黙な人物。動きも、話し方も一切無駄が無い。つねにカードを身体の近くに持っていて、リアクションすらポーカーフェイスで何を考えているのか分からない。それは、車の運転という流動的な状況で彼が身に付けた機械的な自己抑制なんだ。もう一方で、彼は精神を病んだ人間だ。『タクシードライバー』のトラヴィスのようにね。薄気味悪い冷静さの下に、怒りのエネルギーや一触即発の暴力性が溜まっている。穏やかで安全なドライブを楽しんでいる時に、他の車が進路を横切るような感じだ。バーン!と、溜まっていたエネルギーが一挙に暴力として放たれるんだ。それがドライバーの基本的な性格だ。

 

淀みないドライビングテクニックで傷ひとつ付けることなく障害物をかわすのに、突発的な事態が起こると、それこそ甚大な被害が発生してダメージを受けることになる。苦労したのは、ストップウォッチが正確に時を刻むように、ドライバーがエネルギーをしっかりと抑え込んでいるという雰囲気を観客に感じとってもらうことだった。」

 

レフン監督は語る。「『ドライヴ』は半分が人間、そしてもう半分が機械の男の物語だ。彼には日の出と日没があるだけ。夜になると昼間と違う服に身を包み、精神的にも別の場所にいる。彼の昼と夜の世界は、決して相容れることはないんだ。」

キャリー・マリガンの登場

 

ドライバーが恋に落ちるアイリーン役には、以前からレフン監督作品のファンで一緒の仕事を切望していたキャリー・マリガンがキャスティングされた。だが、『ドライヴ』の指揮者が誰かを知ったのは、彼女が脚本を読んで興味をもった後のことだった。マリガンの熱意に、レフン監督は彼女にあわせてアイリーンの設定を多少変更させた。

マリガンは、この役に興味を持った理由を次のように語る。「アイリーンというキャラクターは実は難しい役。映画の二次的なプロットの中心人物だから。それは文字通り、彼女とドライバー、彼女の夫スタンダードとの間の三角関係で、結局のところ、それが最も重要な関係でもあると思うの。ドライバーは、彼女にとっては白馬の王子様。でも、スタンダードも過ちを犯したとはいえ、今は本気で更生しようとしてるし、何より17歳の頃から愛し続けてるんだもの。彼女にとっては簡単に決断できることではないの。この2つの衝動的な感情を演じ分けることは、特にスタンダードとドライバーが手を組むシーン以降はとても苦労したわ。」

 

レフンは言う。「アイリーンは、ジェイムズ・サリスの原作ではラテン系の設定だったから、最初はラテン系の女優を探していたんだ。でもなかなか決断出来ないでいた時に、キャリーのエージェントから電話があって彼女が僕を訪ねてきた。彼女がドアを開けて部屋に入ってきた瞬間に、キャリーこそがアイリーンだって確信したよ。キャリーのイノセントな雰囲気は、僕の妻にも少し似ていたしね(笑)。あと、僕は10代の頃、『すてきな片想い』という映画が大好きだったんだ!ずっとあの映画をリメイクしたいと思っていた。それを『ドライヴ』で、思いもよらない形で実現することができた。キャリーには、あの頃のモリー・リングウォルドみたいな知性と魅力が溢れてる。ライアンとのロマンティックな場面は、暴力的な他のシーンと比べて、とても繊細で綺麗なコントラストになってると思うよ。」

3人の個性派名脇役

ドライバーのエージェント兼マネージャー、そして父親のような存在でもあるシャノン役には、3年連続エミー賞受賞のブライアン・クランストンがキャスティングされた。

クランストンは語る。「『ドライヴ』は古典的なフィルム・ノワールの香りを残しているけど、私がそれの好きなところは、脇役が映画を観終わった後でも忘れられないほど活き活きしているとこなんだ。必ずしもヒーローではなく、同情を呼ぶようなキャラクターでもない、言ってみれば取るに足りない脇役が、命を吹き込まれた個性溢れるものになっているというね。

 

シャノンも大きな夢を持っているけど、大体が満足いかない残念な結果に終わってしまう、そんなキャラクターだ。彼が悲観、絶望していることは明らかで、幸せそうな場面であってもそれが伝わってくるんだ。こういう役柄を演じるのは大好きさ。」

 

ガラガラ声のブルックリン訛りと、一度見たら忘れることのできない面構えのロン・パールマンは、血の気の多い街のギャング、ニーノを楽しみながら演じた。「この役を演じるのが楽しくなかった、なんて振りをするつもりは一切ないよ(笑)。すべてのシーンで卑語をギターのソロみたいにまくし立てながら、周りの雰囲気も自分色に染めてしまうんだ!監督はアドリブの余地を与えてくれたし、彼自身も楽しんで受け入れてくれた。そのシーンがどういう場面か正確に理解していたし、どうやって表現すべきかも知っていた。だから計算されたアドリブが許されたんだ。役者としてはすごくやりやすかった。」

 

ロン演じるニーノと対をなす、一見フレンドリーに見える地味な犯罪者バーニー・ローズを演じたのはアルバート・ブルックス。無害な見た目の裏に、冷酷な無慈悲さを隠し持つ人物だ。

「ロンとの競演はとても楽しかったよ。我々の演技に対する考え方は、キャラクター同様、全く違うからね。これまで神経質で意気地のない、いわゆるザコのキャラクターをたくさん演じてきた。犯罪組織の幹部役に私をキャスティングするなんて、最初は冗談かと思うだろ?バーニーはニーノの相棒で、彼より頭がよくて、人当たりもよい、弱そうな人物。でも彼は、正体を隠して相手に近づくんだ。本当の恐ろしさは、懐に入って握手をしようとする瞬間まで分からない。それを明確なアクションで見せるんじゃなく、潜在的な威圧感を感じさせる演技をする、その難しさが魅力的に感じたんだ。」

 

ブルックスは続ける。「バーニーの慎重なまでに隠された暴力性は、ドライバーと似ている点でもある。2人には類似点があるから面白んだ。良く出来た犯罪映画には、主人公と悪役の間に意味深な関係性があることを、レフン監督は直感で知っている。この2つは、大きく違うようで実は似ている。それは、深いテーマに至る手段にもなるし、何よりドラマ性を高めてくれるんだ。」

レフン監督はブルックスについてこう話す。「彼には一度も会ったことがなかったし、碌に彼のことも知らなかったのに、この役をアルバート・ブルックスに演じて欲しいとずっと思ってたんだ。彼は今まで人を殺すどころか、悪役すら演じたことがなかった。だからこそ、適役だと思ったんだ。実際に会ってみたら、まるで火山が爆発するような怒りを表現できて、それをどのタイミングで発揮するのか、逆に僕がしっかりと教えてもらう結果になったよ。」

鮮烈な映像と音楽、そしてバイオレンス

『ドライヴ』のまるでスクリーンに引き込まれるような計算されつくした映像と音楽。それがもっとも顕著なのが、カーチェイスのシーンだ。

レフン監督は語る。「実は僕は車を持っていない。運転免許すらね。でも、車に対してはフェティシズムを感じる。特定のブランドやメーカーを好きっていうわけじゃなく、エンジン音やスピードを感じることに興奮するんだ。3つのカーチェイスの場面は、全く異なるアイディアに基づいて音楽を付けていったんだ。1つ目は、“チェスの対戦”のイメージ。ドライバーが冷静さを維持することを要求されるような知力の勝負で、婉曲的でスローなテクノ調の曲をジョニー・ジュエルに付けてもらった。2つ目は、直球勝負のカーチェイスで、アドレナリン全開のシーン。エンジンの唸る音やブレーキ以外に曲は流れない。比較的静かな時間で引っ張るからこそ、期待が高まるんだ

 

3つ目は、尾行、そして極秘裏に攻撃を仕掛けるシーンだから、『ヤコペッティの残酷大陸』という70年代前半のサウンドトラックの“Oh My Love”というミステリアスでサスペンス調の曲が流れるんだ。」

 

『ドライヴ』における暴力シーンは、実はそれほど登場しないにも関わらず、最大限の効果を発揮している。レフンは言う。「暴力は、ショッキングな使い方をすれば、効果を発揮する。現実世界でも、暴力なんてほんの数秒で終わってしまう。最近の映画は、暴力表現がある意味ポルノ風にずるずる続く傾向にあるけど、そうすることで結局は効果を低下させてしまってる。暴力による“恐怖”がつねに存在していると思わせることこそが、緊張感を作り出しているんだ。それがいつ炎となって噴き出すか分からないからね。」

また本作では、間接的な表現を巧みに使っているのも特徴だ。ある場面で、ドライバーが殺し屋の頭を滅多蹴りにして片づけてしまうシーン。「スクリーン上には、ジャケットに付着した数滴の血しか映らないんだ。でも、鋭いパンチ音が、やがて骨が折れたり肉が潰れる音に代わることで、どんな見せ方よりも衝撃的な場面になる。」

 

プロデューサーの一人、マーク・プラットは語る。「確かに『ドライヴ』には暴力的な瞬間が存在するが、実に上手く処理されていて、詩的ですらある。ともすればありがちな大作映画になってしまう可能性もある中で、レフン監督は題材に真剣に向き合い、ジャンル特有の要素を凝縮するのでなく、要素自体を独自のレベルに引き上げようとする。形式通りのカーチェイスのハンドルを握る代わりに、そのスタイル自体を野心的に作り変えているんだ。『ドライヴ』は、評論家にも、一般の観客にも喜んでもらえる作品だ。本作によって、これまで以上にレフンの知名度が爆発的に広まることは間違いないだろうね。」

 

<キャスト>

ライアン・ゴズリング(ドライバー)

 

1980年カナダ、オンタリオ州生まれ。

人気キッズ番組「ミッキーマウス・クラブ」などのTVシリーズで子役としてキャリアをスタート。96年に、『フランケンシュタインと僕』(未)で映画デビュー。デンゼル・ワシントン主演の『タイタンズを忘れない』(00)での出演を足がかりに、ハリウッドに活躍の場を広げる。翌年、映画初主演作となった“The Believer”で、インディペンデント・スピリッツ賞主演男優賞にノミネートされるなど、批評家から高い評価を得る。

2004年、世界的に大ヒットした『きみに読む物語』で一気にブレイク。06年、“Half Nelson”で演じたスラム地区のドラッグ中毒の中学教師役でインディペンデント・スピリッツ賞主演男優賞を受賞、26歳という若さでアカデミー賞主演男優賞、サテライト賞、シカゴ映画批評家協会賞などにもノミネートされた。『ラースと、その彼女』(07)、『ブルーバレンタイン』(10)でもゴールデングローブ賞主演男優賞にノミネートされ、今や人気、実力ともにハリウッドを代表するスターの1人となった。

キャリー・マリガン(アイリーン)

 

1985年イギリス、ロンドン生まれ。10代より芝居に魅せられ、2005年、キーラ・ナイトレイ主演の『プライドと偏見』で映画デビュー。「ブリーク・ハウス05)、「奥さまは首相~ミセス・プリチャードの挑戦06)などのTVシリーズに出演後、『17歳の肖像』(09)のヒロイン役で一気にブレイク。本作では、英国アカデミー賞主演女優賞を受賞ほか、アカデミー賞、ゴールデングローブ賞の主演女優賞にもノミネートされ、一躍注目の若手女優の1人となった。『パブリック・エネミーズ』(09)で本格的にハリウッドへ進出、08年にはブロードウェイデビューも果たしている。

ブライアン・クランストン(シャノン)

 

1956年カリフォルニア生まれ。ショービジネスの一家に生まれ、8歳でCMデビュー。大学在学中よりプロの役者を目指し、様々な舞台に出演。その後、TV映画“Love Without End”への出演をきかっけに、本格的に役者の道へ。TVシリーズ「マルコム in the Middle」(00~)ではゴールデングローブ賞、エミー賞にノミネートされ、「ブレイキング・バッド」(08~)ではエミー賞初となる3年連続の主演男優賞受賞を記録。俳優以外にも、脚本、監督もこなし、「マルコム in the Middle「ブレイキング・バッド」の何エピソードかでは監督も務めている。

アルバート・ブルックス(バーニー・ローズ)

 

1947年ロサンゼルス生まれ。ラジオ・コメディアンの父を持ち、62年よりスポーツライターとして活躍しながら、TVショーに出演。これが評判を呼び、75年からは「サタデー・ナイト・ライブ」の脚本・演出を手掛けるようになる。76年、『タクシードライバー』で映画デビュー。87年の『ブロードキャスト・ニュース』ではアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。俳優業以外にも、メリル・ストリープ主演の『あなたの死後にご用心!』(91/未)、シャロン・ストーン主演の『ハリウッド・ミューズ』(99)などでは、監督・脚本も務めている。

オスカー・アイザック(スタンダード)

 

1980年グアテマラ共和国生まれ。名門ジュリアード学院を卒業後、2002年に俳優デビュー。TVシリーズでキャリアを積み、『マリア』(06)のヨセフ役で注目される。その後、『ワールド・オブ・ライズ』(08)、『ダイアナの選択』(08)、『チェ 28歳の革命』(09)、『アレクサンドリア』(09)、『ロビン・フッド』(10)、『エンジェルウォーズ』(11)などに出演。次回作は、マドンナの監督新作“W.E”

クリスティナ・ヘンドリックス(ブランチ)

 

1975年テネシー生まれ。高校時代から演劇をはじめ、2007年にスタートしたエミー賞受賞の大ヒットTVドラマ「マッドメン」で一躍脚光を浴びる。その後、「ER 緊急救命室」(01~/第8シーズン)、「ファイヤーフライ 宇宙大戦争」(02)、「トゥルー・コーリング」(03~)、「WITHOUT A TRACEFBI失踪者を追え」(05~)、「Life 真実へのパズル」(07~)などのTVシリーズに多数出演。映画出演作は、『レオニー』(10)、『かぞくはじめました』(10/未)など。最近では、Esquire Magazine誌による“世界でもっともセクシーな女性”にも選ばれている。

 

ロン・パールマン(ニーノ)

 

1950年ニューヨーク生まれ。大学で演劇の修士号を修め、81年にジャン=ジャック・アノー監督作『人類創世』の原始人役で映画デビュー。86年には同監督の『薔薇の名前』に出演し、その怪演に注目が集まる。87年にスタートしたTVシリーズ「美女と野獣」ではリンダ・ハミルトンと共演し、ゴールデングローブ賞の主演男優賞を受賞。その後も190センチの長身と個性的な風貌を活かし、ギレルモ・デル・トロ監督作『クロノス』(92)、『ブレイド2』(02)、ジャン=ピエール・ジュネ監督作『ロスト・チルドレン』(95)、『エイリアン4』(97)をはじめ多くの出演作で強烈な印象を残す。2004年には、デル・トロ監督の強いプッシュにより『ヘルボーイ』でタイトルロールに大抜擢、続編も決まるなどキャリアの節目となる代表作となった。

<STAFF>

ニコラス・ウィンディング・レフン(監督)

 

1970年デンマーク生まれ。8歳から17歳までニューヨークに在住。93年に再びアメリカに渡り、アメリカン・アカデミー・オブ・ドラマティック・アーツで学ぶ。デビュー作は、若干24歳で監督を務めた『プッシャー』(96/脚本・出演兼)。本作はカルト的な人気を集め、続く“Bleeder”99/脚本・製作兼)はベネチア国際映画祭でプレミア上映された。3作目となる“Fear X”03/脚本兼)では、初めての英語作品に挑戦。ジョン・タトゥーロを主演に迎え、『ブルックリン最終出口』『レクイエム・フォー・ドリーム』の原作者ヒューバート・セルビーJrと共同執筆した本作は、サンダンス映画祭でプレミア上映され大きな話題に。

その後、母国デンマークに戻り、デビュー作の人気に応える形で“PusherⅡ”04)、“Pusher3”06)を監督・製作。シリーズは「プッシャー3部作」として、2005年のトロント映画祭でも上映され世界各国で評判となった。

06年、俳優チャールズ・ブロンソンの分身と主張する英国の有名な犯罪者の伝記映画“Bronson”を監督・脚本。各国のメディアから「次世代ヨーロッパにおける偉大な映像作家」という評価を受ける。その後、ベネチア映画祭でプレミア上映された“Valhalla Rising”09)の脚本、監督、製作を担当。

現在は、ライアン・ゴズリングと再びタッグを組む“Only God Forgives”、そしてキャリー・マリガンが主演の“I Walk With The Dead”が待機中。またライアンとは、76年の傑作SF2300年未来への旅』リメイク版の共同脚本にも着手している。

本作『ドライヴ』は2011年のカンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映され、見事監督賞を受賞した。

 

ホセイン・アミニ(脚本)

 

1966年イラン生まれ。イギリスの作家トーマス・ハーディの小説「日陰者ジュード」を脚色した『日蔭のふたり』(96/マイケル・ウィンター・ボトム監督)で映画脚本家デビュー。本作は、サテライト・アワードの脚色賞にノミネートされ、一躍注目を集める。97年には、文豪ヘンリー・ジェイムズの同名小説を脚色した『鳩の翼』が高く評価され、アカデミー賞、英国アカデミー賞、全米脚本家組合賞、サテライト・アワードの脚色賞にノミネートされた。

ジェイムズ・サリス(原作)

 

詩人、小説家、エッセイスト、音楽学者、翻訳家、脚本家などさまざまな顔を持ち、長編はこれまでにニューオリンズの黒人探偵ルー・グリフィンを主人公としたシリーズ「黒いスズメバチ」「コオロギの眼」、そして本作の原作「ドライヴ」が翻訳出版されている。

ニュートン・トーマス・サイジェル(撮影監督)

 

1955年生まれ。ニューヨークのホイットニー・ミュージアム・オブ・アメリカン・アートで画家、映像作家としてキャリアをスタート。当時の作品には、85年のアカデミー賞ドキュメンタリー短編賞受賞の“Witness to War: Dr. Charlie Clements”やヒット作“When The Mountains Tremble”などがある。

『カッコーの巣の上で』『天国の日々』などで知られる名カメラマン、ハスケル・ウェクスラーに才能を見いだされ、サイジェル自身の戦争体験を元にしたハスケル監督作『ラティノ』(85/未)で撮影の道へ。その後『プラトーン』(86)、『ウォール街』(87)のセカンド・ユニットでキャリアを積み撮影監督に。2000年にアメリカ撮影監督協会(ASC)に加入。

ダリン・プレスコット(スタント・コーディネーター) 

 

 

20年にわたり、スタントチームの監督としてハリウッドで活躍。彼とそのチームが手がけた「ボーン」シリーズでは、『ボーン・アルティメイタム』(07)で映画俳優組合から表彰された。その他の代表作に、『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(08)、『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(09)、『パブリック・エネミーズ』(09)、『GAMER』(09)、『ファースター怒りの銃弾』(10)など。最近では、『マネーボール』(11)、『宇宙人ポール』(11)のスタントも監督。また『マトリックスリローデッド』(03)、『マトリックス レボリューションズ』(03)、『Mr.&Mrs.スミス』(05)では、自らスタントマンとして参加もしている。

 

マーク・プラット(製作)

 

舞台、映画、TV界すべてで成功を収めた世界でも数少ないプロデューサーの一人。「この10年を代表するミュージカル」と評されたブロードウェイの大ヒット作“Wicked”をはじめ、参加したプロジェクトは7度のアカデミー賞、16回のトニー賞、12回のゴールデングローブ賞、19回のエミー賞にノミネートされるという快挙を成し遂げている。主な映画製作に、『キューティ・ブロンド』(01)、その続編『キューティ・ブロンド/ハッピーMAX』(03)、『ウォンテッド』(08)、『レイチェルの結婚』(08)、『NINE』(09)、『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』(10)など足多数。

 

http://drive-movie.jp

 

2011年/アメリカ/カラー/シネスコ/ドルビーデジタル/100分/

原題:DRIVE/字幕翻訳:岡田壯平/R15

配給:クロックワークス

2012年3月31日より、新宿バルト9他全国ロードショー

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