台湾映画『あの頃、君を追いかけた』 合同インタビュー

 

今年8月に台湾で上映され、今もロングランで上映されている台北映画祭2011観客賞受賞作『あの頃、君をおいかけた』が、東京国際映画祭アジアの風部門で上映されました。今回は、6媒体での合同インタビューとなり、監督、キャストのお二人に撮影秘話などを伺いました。

 

 

Q:日本での上映しての観客の反応は?

監督:昨日、僕は観客の皆さんと一緒に映画を見たのですが、この作品には日本の漫画の要素が入っているので、日本の皆さんの反応は、熱烈な反応で台湾の観客よりも反応が熱かったので、日本に来て国際的に上映できて、良かったと思いました。

 

ミッシェル:グリーンカーペットを歩いたのですが、日本ではまだ公開していないのにも関わらず、たくさんのファンの皆さんが、盛大な拍手をしてくれたので、もの凄く感動しました。

 

チェントン:昨日は凄く緊張していたので、3人でグリーンカーペットを歩いている足音だけが聞こえていたのですが、日本の皆さんが暖かく熱く迎えていただきました。

 

Q:次回作の予定は?

監督:この作品が成功したので、たくさんの人から注目をされているうちに、次の作品を撮ったてみてはと言わたのですが、他の監督さんよりもとろいので、長い時間をかけて次回作を準備してからよく考えて撮りたいと思います。それを宣告するときは、ファンの皆さんが楽しみに待ちかねていると思います。

 

Q:チアイーは優等生で男子に人気者で、コートンは逆に劣等生だがいい友達がいるという役柄でしたが、二人が高校生の時を振り返って、ここは自分と共通するところがある点や自分と違う点があれば教えて下さい?チェントンさんに、家でお父さんや皆さんが全裸で生活しているシーンがショッキングだったのですが、実生活ではそんなことはないですよね?

 

チェントン:成績は彼ほど悪くはなかったと思います。友達がたくさんいたという点は同じですね。彼と僕が似ているという点は、幼稚なところです。小説を書くのは僕よりも彼の方ができると思います。僕は彼よりも身長が高いと思います。裸でご飯を食べることは、夏暑いと僕もしますがパンツは履いています。

 

ミッシェル:私が学生の時は、私を好きでいてくれた人はいましたが、コートンのようにあれほどまでに思ってくれた方はいませんでした。この映画は監督の夢を実現した映画ですが、私にとっても女の子の夢を実現してくれた映画だったと思います。男の子にあれだけ真心をこめて尽くされることは、女の子の夢だと思います。チアイーは成績が良くて、テストのために勉強をする。実は私もそうだったのですが、あれほどまでにクラスで絶対に1位にならないといけないとかはありませんでした。彼女は高値の花というイメージで、距離感のある女の子です。私は脚本を読んだ時に、皆が遊んでいるときも脚本を読んで、優等生になりきって演技をしました。

 

Q:監督ご自身の高校時代のことを自伝的映画にしましたが、そういった製法をされる方は、台湾にもいらっしゃいます。8月に上映されていまだにロングラン上映されていますが、何がそこまでさせているのか?

 

監督:台湾で映画を撮るという環境は、非常に厳しいものがあります。映画が撮れることが、貴重な機会なのです。どの監督も機会を逃さないように、自分の物語を語ろうとするのだと思います。この映画は青春もので、いろんな人によって青春は違ってきますし、今までこのような題材があったとしても、違う青春を描いていると思います。作品に現れるのも違ってきます。今までの台湾映画は、憂いがあり傷を持っているような深い映画が多かったのですが、僕の映画は白痴で楽しくて、そして低能な男子が登場するという映画なので、表現の仕方が違うのではないでしょうか。大ヒットした映画ですが、僕はこの映画を観て「大ヒットしたね」と言われるよりも、「心を込めて丁寧に撮っているね」と言われる方が嬉しいです。台湾では誰もが経験する青春を描いているから大ヒットしたのではないかと言われましたが、青春の経験が違う香港でも、非常に評判が良かったです。昨日、日本では全く状況が違うと思うのです。観客も僕が見たところ35歳以上の方が多かったと思うのですが、それでも反応が良かったですので、成長過程が同じからヒットの要因があるのではなく、そこに描かれた情感、愛情が心を打つからだと思っています。

 

 

Q:男の子がお馬鹿に明確に描いていますが、何故そこまで描いたのですか?

監督:一週間前に映画のヒロインのモデルである彼女から電話をいただいて、彼女と話をして当時を思い出していたのですが、彼女の旦那さんは8歳年上で、旦那さんとは友達になれないというのです。何故か聞いたところ「世代が違う」と言うので、僕は大学生とも遊んだりしますが、彼らとの差はあまり感じないのです。僕はあの頃の時代のまま、今も留まっていると話したら、彼女は笑っていました。そして、僕の友達もそのまま精神状態でいる。僕はどこへ行っても僕である。

 

Q:監督は日本のアニメが好きなようですが、この作品では日本のアニメなどを参考にされたのですか?演技をする上で、お馬鹿な役を自然体でできたのか?それとも苦労したのですか?

監督:『はじめの一歩』が好きです。とにかく漫画が好きなのです。映画を撮る機会を与えられたので、好きなもの全てをそこに折り込みました。彼らの決闘シーンは、日本の漫画の特徴で、技が決まるとそこに技の名前がでるのですが、そういう点や子供の時に「ドラゴンボール」が好きだったので、そういうものを映画に取り入れています。日本の漫画、オタク文化が好きなので、日本で公開されることは嬉しいです。僕の本棚には「ワンピース」などが並んでいます。まだ来日して3日目ですが、毎日秋葉原へ行き、買い物を楽しんでいます。

 

チェントン:僕は彼は馬鹿ではなく、幼稚だと思うのです。悩みがなく楽しくいられるので、自分の幼稚な部分を拡大して、この役柄に取り入れました。

 

 

 

きっと誰もが経験したであろう、甘酸っぱい青春と恋心。日本で上映される日を期待したいものです。

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