台湾映画『運命の死化粧師』 合同インタビュー

 

(左よりリエン・イーチー監督、ソニア・スイ、ニッキー・シエ、ユィ・シャンミン脚本家)

東京国際映画祭アジアの風部門、台湾映画『運命の死化粧師』の2媒体合同のインタビューとなりました。

 

Q:ニッキーさん演じるミンシュウ役は、死者に化粧を施すということで、途中で亡くなった方と会話をするシーンがあり、ソニアさん演じるチェン・ティン役は、いきなり死体としての登場でしたが、二人ともこの映画の撮影を経て、死に対して考えられたことはありますか?

 

ニッキー:以前は年齢が若かったので、死に対して深くは考えませんでした。しかし、この作品に出演して人間は死んでもその人に対しての思い出と記憶が残るものだということがわかりました。

 

 

ソニア:例えば生きている時は、自分がやりたいことがあるとしたなら、時間を惜しんでも恥ずかしくても、一生懸命に勇気を持って生きていくことです。生きている時だからそれができるのだと思いました。

 

Q:亡くなった遺体に化粧をすることを題材にした作品を作ろうと思ったきっかけは?

 

監督:この題材に対しては、脚本家のユィ・シャンミンさんが書いて仕上げたものを自分が大変気に入ったのです。遺体に対しても死化粧師という発案はユィさんです。何故その脚本を読んでとても気に入ったのかというと、生きている人を表現するときに死者の方から見る、あるいはその逆もあるということ。最初の案ではチェン・ティンの死から始めてたのですが、チェン・ティンの死を直接に描かず思い出から表現するように切り替えたのです。死を生の方から見る、あるいは生の方から死を見る。永遠というものはどういうことなのか。永遠と死ということを考えること。思い出は死んでも永遠に生きているということを作品にしたかったのです。

 

Q:ニッキーさんとソニアさんはキスシーンや死化粧など大変なシーンがありましたが、一番苦労した点は?

 

ニッキー:女性を好きになってしまう気持ち、友達の枠を超えてしまうということ。自分はそうではないので、現実ではなかなかとらえられず、そこは自分で模索しながら演じたのです。憧れのソニアさんと演じるというのは、近い距離での演技ですので、凄く恥ずかしかったのです。

 

ソニア:演じる前は難しいと思いましたが、演じた後は愛に性別は関係ないのだと思いました。普通の男性を愛するのと同じように、女性を愛する思いが強くなりました。特にニッキーとあのキスシーンを演じれたのは、ニッキーはとても可愛いので自然とそういうシーンに入れました。少し恥ずかしかったですが、ニッキーの人柄だと思いますね。

 

 

日本で放送されている華流ドラマ『結婚って、幸せですか』に出演しているソニア・スイ。慎ましい妻役を演じていたソニア・スイが、女性同士の恋と死化粧をされる役を演じる作品。共演のニッキー・シエの演技も見どころです。日本で上映されることを願いたいものです。

Asiaent_Lifeをフォローしましょう

<人気記事>